2010年6月21日
SKIPシティ国際Dシネマ映画祭がプログラムを発表
歴代最多となる85の国と地域からエントリー
デジタルで撮影された作品のみを紹介し、新しい才能の発掘を目標に掲げる映画祭、SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2010の記者会見が21日(月)、有楽町の日本外国特派員協会で行われ、プログラムの詳細が発表された。
今年は歴代最多となる世界85の国と地域から、長編648本、短編162本、合わせて810本の応募があり、長編部門にエントリーした国内作品数 は歴代最高の70本に上った。長編部門(国際コンペティション)に13本、短編部門(国内コンペティション)に10本がノミネートされ、長編部門には3本 の国内作品が入った。今回から短編部門は、長編製作の可能性を探るため、昨年までの「60分未満」から「15分以上30分以内」へと応募規定が一部変更と なっている。また、短編部門の最優秀作品賞の副賞として、一定期間、無料で撮影機材の利用が可能となるほか、映画製作のサポートが受けられる「SKIPシ ティアワード」が新設された。
映画祭の実行委員会会長を務める上田清司埼玉県知事は、「デジタルシネマの普及には本当に目を見張るものがある。この映画祭で用いましたDシネマ という言葉そのものも一般的になりました。それを裏付けるように今年の応募数は過去最高の85の国と地域になっています。この映画祭が世界各国でそれなり の評価と注目を集めているひとつの証拠ではないかと、大変嬉しく思っております」と、今回で7回目を迎えた映画祭の成長を喜んだ。一方、実行委員会副会長 を務める、開催地川口市の岡村幸四郎市長は、「この映画祭の目的は2つ。デジタル映画産業の発展に寄与すること。そして若手映像クリエイターの発掘、育成 です。この映画祭からどんどん世界に羽ばたいていく映像クリエイターを発掘、育成できれば、こんなにありがたいことはない。川口市民もこの映画祭を応援す る市民の会というものを第1回から作り、物心両面ともに、この映画祭に全面的に強力させて頂いている次第です」と意気込みを語った。
記者会見には、長編部門の審査委員長を務める増田久雄氏(株式会社プルミエ・インターショナル 代表取締役、プロデューサー、監督)ら、長編、短編部門の審査員も出席。選考基準について問われると、「即戦力なのか、可能性なのかのバランスですね。た だし、審査委員長は議長としての役割もありますので、みなさんの意見を踏襲し、まとめていきたい」(増田)、「短編は商業的な場で公開されることはないの で、個性に溢れた作品を選びたい」(短編部門震災委員長、桝井省志=株式会社アルタミラピクチャーズ代表取締役、プロデューサー)、「独断と偏見に満ち満 ちた好きなものだけを選ぶということで通したい」(短編部門審査員、佐野史郎=俳優)、「本当にまっとうな映画が大好きなので、ちゃんと人がそこに描かれ ていて、喜怒哀楽を感じさせて、とても素敵な旅をさせてくれるものを」(短編部門審査員、襟川クロ=映画パーソナリティ)と、それぞれの思い入れを述べ た。
映画祭は7月23日(金)から8月1日(日)まで、埼玉県川口市のSKIPシティ映像ホール・多目的ホールなどで開催される。
■長編部門(国際コンペティション) ノミネート作品
『seesaw』(日本) 監督:完山京洪
『東京うんこ』(日本) 監督:村松英治
『未来の記録』(日本) 監督:岸 健太朗
『けがれなき愛』(韓国) 監督:シン・ヨンシク
『センタープレイス』(オーストラリア) 監督:ベン・シャックルフォード
『鉄屑と海と子どもたち』(フィリピン) 監督:ラルストン・ジョバー
『テヘラン』(イラン、フランス) 監督:ナデール・T・ホマユン
『透析(原題)』(中国) 監督:リウ・ジエ
『不毛の丘』(カナダ) 監督:ロブ・キング
『マジックシルバー』(ノルウェー) 監督:カタリーナ・ラウニング、ローアル・ユートハウグ
『やがて来たる者(原題)』(イタリア) 監督:ジョルジョ・ディリッティ
『闇への一歩』(イラク、トルコ) 監督:アトゥル・イナッチ
『ニュースメーカーズ』(ロシア) 監督:アンダシュ・バンケ ※特別上映:審査対象外
■短編部門(国内コンペティション) ノミネート作品
『家族デッキ』(日本) 監督:村田朋泰
『ゴリラの嘘』(日本) 監督:草苅勲
『イチゴジャム』(日本) 監督:庭月野議啓
『隣人ルサンチマン』(日本) 監督:檀 拓磨
『夏の移動図書館』(日本) 監督:竹葉リサ
『切符師?SEPPUSHI?』(日本) 監督:高嶋義明
『不幸買います』(日本) 監督:泊 誠也
『KARAKURI』(日本) 監督:石田 肇
『濡れるのは恋人たちだけではない』(日本) 監督:高野 徹
『Kingyo』(日本、マレーシア) 監督:エドモンド・楊