2010年7月26日
友人カップルをモデルにおかしな関係性を描いた『東京うんこ』
「何回“うんこ”のセリフが出てくるか数えたことはありません(笑)」と村松英治監督
SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2010の4日目の上映一番バッターは、コンペティション参加作品、その名も『東京うんこ』。タイトルだけ聞くとぎょっとするが、これは東京に暮らす若いカップルをコミカルに描くちょっと変わったラブ・ストーリー。
何をやっても長続きしないダメ男、俊太郎が突然会社を辞めて漫画家になると言い出した。一緒に暮らす希梨子はバイトで何とか彼を支えようとするが、俊太郎は怠けてばかり。ある日希梨子が気まぐれに描いた「うんこ」のイラストと物語が出版社の目にとまり、絵本として発売されることに……。
「うんこと俺とどっちが大切なんだ」のセリフをはじめ、主人公たちが連呼するシーンなど、全編にこの3文字が溢れているが、脚本、美術、編集も担当した村松英治監督は「僕も何回出てくるか数えたことはありません」と笑う。
シナリオは2年前にシナリオの第1稿を書きあげ、それから何度も肉付けしたり寝かしたりしたという。「映画に出てくる2人とそっくりな友人カップルをモデルにしました。彼は東京の都下、彼女は関西の出身というところも同じ。彼がすぐ新しいことを始めるんだけど飽きてしまい、結局彼女の方がうまくなったりとか、そういうおかしな関係性を描きたかった」。
村松監督はDシネマ映画祭2008にも短編映画『シュアー』を出品している。こちらは上京してきた女性の挫折を描いた作品だったが、今作では東京に馴染んでいく主人公が描かれる。ここには、2004年に愛知から上京してきた監督の心象も反映されているという。
「次回作では、また短編もやりたいですね。これまで女性を主人公にしてきたので、もう少し男臭いものというか、自分自身を投影したものを作りたい」。
『東京うんこ』の次回上映は、7月31日(土)17時30分から多目的ホールにて。
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