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【デイリーニュース】vol.22 『舞妓はレディ』特別展開催
映像ミュージアム1Fのガイダンスルームで開催中の映画『舞妓はレディ』の特別展
7月19日(土)~27日(日)の映画祭開催期間中、映像ミュージアム1Fのガイダンスルームでは、映画『舞妓はレディ』(9月13日公開)の撮影で使われたオープンセットの裏側を見られる特別展「巨大オープンセットができるまで」が開催されている。
同作は『Shall we ダンス?』(96)の周防正行監督の最新作。地方から舞妓を目指して京都にやって来た少女・春子が、老舗の茶屋に弟子入りし、女将や先輩舞妓らの指導を受けながら一人前の舞妓になるべく修行に励む姿が生き生きと描かれる。ヒロインの春子には、鹿児島生まれの16歳で、これが長編映画初主演となる上白石萌音(かみしらいしもね)が選ばれた。
物語の舞台となる京都の花街を鮮やかに再現した巨大なオープンセットは、昨年、SKIPシティの広大な敷地に建てられていた。また、この映画のエグゼクティブプロデューサーである桝井省志は、今年もDシネマ映画祭で短編部門の審査委員長をつとめており、SKIPシティとも縁の強い一本なのである。
撮影が行われたのは約1年前の5月~7月、2013年の映画祭の開催とも重なった。オープンセットの建設がスタートしたのは、それより半年以上も前の2012年12月。今回の展示ではそこから撮影後の解体まで一年にわたる道のりを、写真をふんだんに使ったパネルや立体模型、メイキング映像などでたどることができる。
撮影で使うスペースを囲むように、スタジアム状にぐるりと建て込まれたセット内部には、架空の花街“下八軒”が誕生していた。撮影のために作られた小川にかかる「八軒新橋」に石畳、茶屋や料亭など17棟の家屋が立ち並び、一歩足を踏み入れればここが埼玉であることを忘れてしまう別世界だ。
この美術を担当したのは、北野武組から『スウィングガールズ』(04)『ソラニン』(10)まで幅広く手がけてきた磯田典宏である。先述したように、セットはすでに解体されているが、展示会場には劇中で使われた石柱や花街の案内標識などの実物も見られる。
日本映画のエンターテインメントをけん引する周防監督が、この町並みを背景に撮り上げたのは、めくるめく和製ミュージカル。上白石のほか、「家政婦のミタ」の長谷川博己に富司純子、周防組ではおなじみの草刈民代や竹中直人といったメンバーも華やかに歌い踊る。実は『Shall we ダンス?』よりも前から、20年間も監督が温め続けてきた念願の企画だというだけに、否応なく期待が高まる。
特別展の入口には上白石の演じた春子と一緒に舞妓姿で写真を撮れるスタンディも設置。来場の記念にぜひ一枚収めて帰りたい。
映画『舞妓はレディ』は、2014年9月13日(土)より全国にて公開される。