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【デイリーニュース】vol.25 カメラクレヨン~子どもたちが作った映画がいま、面白い!~ 『僕らの興味期限切れの夏』『不思議街一丁目騒動記~魔女対少年FBI~』上映
「川口子ども映画クラブ」の皆さん
26日(土)、多目的ホールでは、子どもたちの映像制作を応援する映画祭関連企画「カメラクレヨン~子どもたちが作った映画がいま、面白い!~」が開催され、子どもたちが企画から脚本、監督、撮影などの技術パート、出演まですべてを手がけた2作品が上映された。
最初の作品は、札幌・子ども映画制作ワークショップ2012で中学生たちが制作した『僕らの興味期限切れの夏』。昨年、キンダー・フィルム・フェスティバルの「ティーンズ・フィルム・コンペティション」でグランプリに輝いた作品だ。何事にも興味が持てず、夏休みを無気力に過ごしていた中学生の優音が、公園で不思議な少年少女たちと出会い、心を通わせていくが……というファンタジー。札幌・円山公園の自然を神秘的にとらえた美しい映像の中に、少しずつ変わっていく少女の心情が丁寧に描かれる。主題歌も自分たちで手がけており、中学生の作品とは思えないクオリティの高さだ。
上映後には札幌で収録したインタビュー映像が流され、まず「興味期限」という言葉を思いつき、そこから物語を発想したという脚本担当の坂本優乃さんや、主演の佐藤莉奈さんらが、撮影時の苦労や楽しかったことなどを語った。
2本目の作品は、川口子ども映画クラブが制作した『不思議街一丁目騒動記~魔女対少年FBI~』。不思議街一丁目はその名の通り不思議でいっぱいの街。猫はしゃべるし、人は透明マントで姿を消したり、宙を飛んだり。不思議の原因が街に住む魔女にあるらしいことを突き止めた少年少女のグループFBIは、ある作戦を立てて魔女退治に乗り出すが……。特殊効果をふんだんに使った楽しい冒険ファンタジー。同映画クラブに所属する小、中、高校生が一緒に1本の作品を制作したのは、これが初めてだという。
上映後、出演者やスタッフの皆さんが登壇。映画制作に参加したことや完成した作品を見ての感想などを語った。
このイベントの司会も務めた監督の鈴木菜摘さんは、今年高校3年生。3年間続けてきた同クラブでの活動は、今年で最後になるという。「私は今回、大学受験もあって、監督をお休みしたり代理を頼んだり、落ち着かなかったんですが、みんなが頑張って最後まで作ってくれました。本当に感謝です。高校生になると、小・中学生と関わることはほとんどないので、映画クラブに参加することは良い経験になると思います」。
魔女役の有本さんは、「マドンナと魔女という二重人格的な役は、今回初めてやらせていただきました。子どもたちに“龍神の涙”を投げつけられるところ、映画ではCGになっていますけど、撮影では本当に小さい玉を投げられています。痛いんですよ、あれ。それが大変でした」と笑わせた。少年FBIのまとめ役・タケトを演じた小林さんは、「実際には全然統率力がないんで(笑)、こういう役も初めてでした」。
編集を担当した渡辺さんは、「この作品はカット数が多いので、それをつなげるのが一番大変でした。それと、SKIPシティのノートパソコンのスペックが低くて、編集ソフトが動作しないことがあったので、そこを何とかしてほしいです」とちょっと苦言も。撮影の三上さんは、「元々カメラマンは2人いたんですけど1人来なくなってしまい、役が足りなくなって、急遽アラレ先輩の役も演じることになりました。演じるのは初めてで大変でしたけど、貴重な体験で楽しかったです」。
本作のプロデューサーであり、出演者(1人5役の5分割人間!)でもある、もうひとりの小林さんは、「去年はプロデューサーとして裏方の仕事をしたんですが、今年は役者をやることになりました。5分割人間については、大人の役をやる人が他にいなかっただけ(笑)」。
皆さんの感想を聞いているだけでも、制作現場の楽しそうな雰囲気が伝わってくる。この会場に足を運んだ子どもたちの多くが、「次回は自分も参加したい!」と思ったに違いない。