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【デイリーニュース】 vol.02 『ファミリー・ジャンブル』 マックス・ナルダリ監督&ロベルト・カッルッバ(出演) Q&A

影響を受けたアルモドバルに迫る笑って泣ける家族のコメディ

左から『ファミリー・ジャンブル』のマックス・ナルダリ監督、ロベルト役のロベルト・カッルッバ

 

映画祭2日目、一本目の作品は、イタリアからやってきたコメディ『ファミリー・ジャンブル』。両親を離婚させようと少年マルティーノがコミカルな罠を仕掛け、それにまんまとひっかかるパパ&ママの姿に大笑いし、最後はほろっとくる家族の物語。本上映がワールド・プレミアということで、マックス・ナルダリ監督と、パパの友だちでプレイボーイなロベルトを演じたロベルト・カッルッバがQ&Aに登壇した。

 

歌が大好きなママ、真面目なパパ、弟との4人家族のマルティーノ。中学校に進学したものの、ママの方針でスマートフォンやパソコンを買ってもらえないマルティーノはクラスで馬鹿にされてしまう。両親が離婚したクラスメイトから、それぞれの親からプレゼントをもらい放題だと聞いたマルティーノは、自分の両親も離婚させようとたくらみ……。

 

この物語を映画にしたいとずっと思っていたというナルダリ監督。
「今日、世界初上映のこの場に来ることができてとてもうれしいです。幼い頃、父と母がケンカをした時に、冗談で『別れちゃえばいいのに』と言ったことがあって(笑)、この映画はそんな体験にもとづいて、コメディとして作り上げました。楽しんでいただけたらうれしいです」

 

ボローニャ大学で映画を学んだという監督が最も影響を受けたのはペドロ・アルモドバル。コメディが好きだが、なかでも笑わせて考えさせる作品が好きで、自身もそういった作品を作ることを目指しているという。

 

司会者から、監督も携帯電話の店の店員役で出演していたことを問われると、「一応、プロデューサーも務めたので、カメオで出演しましたが、難しかったです。やはり演技は俳優に任せるべきですね」と照れ笑い。

 

一方、「プレイボーイの役だけれど、実際はプレイボーイではないんですよ」と真面目な顔で言うロベルト・カッルッバは、制作にもかかわったそう。
「これまでに何度もこの映画を見ましたが、今日、観客のみなさんと一緒に見ることができて、これにはまた違う楽しみがあり、いまとても幸せです。さまざまな苦労もあり、それを思うととてもエモーショナルな気持ちになりました」

 

撮影期間は24日間。ロベルトは制作スタッフから役者に頭を切り替えるため、撮影中に3日間だけ休みをもらい、俳優として現場に入ったそうだ。
「マルティーニ役のガブリエーレ・カプリオ、そして数学の教師を演じたガブリエーレの父親も共に有名な声優です。名優たちと共演できて、本当に学べる現場でした」とロベルト。

 

監督も「ミラクルです。まさにスタッフの努力と情熱のおかげです。そして主演のガブリエーレはまだ若いですがすでにキャリアも積んでいて、そんな彼が成長してしまう前に仕事がしたいと思っていました」と熱く語った。

 

その後、観客からはユニークな質問が続出。イタリア語のタイトルは“LA MIA FAMIGLIA A SOQQUADRO”。オープニング・タイトルではひと文字足りない “SOQUADRO”が現れ、そこにQの文字が割り込むと、“SO”“UADRO”がひっくり返るという凝った演出。この演出にはどんな意味があるのか? という質問に、監督はうれしそうに返答。
「英題である『ファミリー・ジャンブル』のジャンブルには“困惑”という意味がありますが、このジャンブルをイタリア語で“SOQQUADRO”といい、そのなかのQの字がひっくり返ることで物語を象徴しています」

 

マルティーニが通う学校にアメリカとEUの旗があがっているのはなぜ? という質問にも「彼が通うのがアメリカン・スクールという設定だからです。彼の家はお金持ちではないけれど両親が苦労して彼を入学させ、クラスメイトたちはそこそこリッチという設定なんです」と答えた。

 

最後、ロベルトが日本語で「アリガトウ」と挨拶し、「みなさんに楽しんでいただけた、ということに大きな意味がありました」と観客に感謝の気持ちを伝えた。

 

世界初上映で大きな笑いが幾度も起こった『ファミリー・ジャンブル』、世界で二度目の上映は7月20日(水)の17時から映像ホールで行われる。


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