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【デイリーニュース】vol.02 『ブルーカラーエスパーズ』俳優・加藤千尚、秋元悠真、 岡野きらら Q&A
「大きなスクリーンに映える!」能力の低さにあがく超能力者たちの物語
左から岡野きらら、秋元悠真、加藤千尚『ブルーカラーエスパーズ』
国内長編コンペティション部門のトップバッターを飾ったのは、本映画祭がジャパンプレミアとなる『ブルーカラーエスパーズ』だ。アメコミのヒーローとはまったく違う、ブルーカラーの超能力者たちの物語。
メガホンを取ったのは、日本大学芸術学部映画学科出身の小林大輝監督。同じく日芸出身の同期、後輩の俳優たちが出演した。観客からは「大きなスクリーンに映える物語」「超能力の見せ方に工夫があった」などとの意見が聞かれた。
小林監督はある映像制作の現場で有名女優との仕事を経験。それを周囲は「すごい」と言うが、「自分自身はすごくないのに」と感じた。そのときの違和感をベースに本作を着想。自分の能力の低さにあがく超能力者の苦悩の物語として描いた。2020年9月、千葉・袖ヶ浦をメインに神奈川県で撮影した。
能力が低いため、いい仕事をもらえない超能力者の主人公・旬作を演じたのは加藤千尚。小林監督と同級生で、監督の前作『アウェイ』に引き続いての出演。「最初の企画は、大学時代に作った映画の続編を作ろうという話だったんですけど、監督のアイデアがまとまらないということで、全く新しい物語になりました。脚本の第1稿は暗い部分が強かったのですが、僕も意見を言わせてもらって、ドラマと超能力がバランスよくなったんじゃないかな」と話す。
旬作が出会う、カメラアイ(瞬間記憶力)を持つ高校生・輔(たすく)役は、4学年下の後輩、秋元悠真。「最初に超能力の映画を撮ると伺ったときはあまりイメージがわかなかったのですが、監督と話を重ねる中、『超能力はあまり意識しなくていい』となったので、自分としてはあまり意識しなかったですね。どこにでもいる、ちょっとかっこ悪い高校生を演じる感覚でした」と明かす。
小林監督は急用のためにQ&Aに登壇できなかったが、加藤は「コロナ禍での撮影場所選びも難しかったが、すごい熱意とパワーでみんなを最後まで引っ張った。監督として、リーダーとしてすごい。ただ、本人がいたら、絶対言わないんですけど……」と笑い。同じく同級生で映画の紅一点、岡野きららも「すごく映画に情熱を持っている姿が見ていると伝わってくる人。大変なこともわかったし、ちゃんと支えてあげなきゃと思って、撮影に参加していました」と明かす。
劇中では、能力不足で、悩めるブルーカラーのエスパーを演じた3人。もし、超能力を持てるとしたら、どんな能力がいい? 「撮影当時、めっちゃ考えていたんですよ。ちょっとでもいいから移動できる瞬間移動能力かな(笑)」(岡野)、「目からビームが出るとか(笑)」(秋元)、「空を飛べたらなとか思うんですけど、男なんで、透明になれる方がいいかな(笑)」(加藤)。
最後に、加藤は「監督が来られなかったのはすごく残念。僕らも大きいスクリーンで見たのは初めてでしたが、感じ方が違う。撮影は2年前ですが、僕は今、(映画の主人公と同じ)27歳。当時よりも旬作の気持ちがわかるところもあります。この映画のメッセージや何かを感じてくれたら、うれしいです」と話していた。
『ブルーカラーエスパーズ』の次回上映は7月21日(木)17時から多目的ホールで行われ、ゲストによるQ&Aも予定されている。オンライン配信は7月21日(木)10時から7月27日(水)23時まで。