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【デイリーニュース】vol.13 『Journey』霧生笙吾監督、みやたに、成田大喜助監督 Q&A

名作へのオマージュを込めて挑んだ哲学的SF作

左からみやたに、霧生笙吾監督、成田大喜助監督『Journey

 

ワールドプレミアとなる国内コンペティション長編部門の『Journey』は、意識のみの存在になることが可能となった近未来を舞台にしたSF。スタンリー・キューブリックの『2001年宇宙の旅』(68)やアンドレイ・タルコフスキーの『ストーカー』(79)を始めとするSFの名作からの影響とオマージュを感じ取れる作品だ。

 

舞台は肉体から意識を解放することが可能となった近未来。宇宙飛行士になることをあきらめ地球で働く慶次は、新たな宇宙開発の噂を聞き、心を病む妻の静は意識のみの存在に憧れを抱き始める。太陽系外には何があるのか、意識だけになった主人公がたどり着いた地とは……。私たちは宇宙において、どんな存在なのかを3部構成で描く。

 

壮大なテーマに果敢に挑んだのは、今年3月に武蔵野美術大学造形学部映像学科を卒業した霧生笙吾監督。在学中は実写映画のみならず写真、アニメーション、CGなどを制作し、2作の短編も手掛けた。卒業制作として手掛けた本作が初の長編作品となる。

 

「映画を好きになったきっかけが、父親の趣味だった『ウルトラマン』などのSFでした。『スター・ウォーズ』シリーズから好きになって、いろいろな作品を見ていきました。卒業制作を作るにあたって、何を大切にすべきかを考えて、SFを選びました。一番好きな作品は『ブレードランナー』(82)ですが、念頭にはタルコフスキーの『ストーカー』(79)がありました」と明かす。

 

『ストーカー』はタルコフスキーが『惑星ソラリス』(72)に続いて製作した観念的なSF。人間の望みを叶える禁止区域「ゾーン」に立ち入る人々の姿を描く。本作でも、一面タイルに覆われた建物や面接シーンの空間設定などにその影響が伺える。

 

第3部に登場する「おじさん」役のみやたには『his』(20)『宇宙人の画家』(22)に出演する俳優。「人の夢を見ているような感覚になる作品で、僕は好き。あまり意味は考えないで、楽しみました」。

 

助監督、美術を担当した成田大喜は1学年下の大学の後輩。「役者さんの演技で宇宙船に見えるように工夫しました。もう10回は見ていますが、7、8回くらいから面白くなってきました。何度も繰り返し見ると面白くなる作品です」とアピール。

 

霧生監督は「自分にとっては初めての長編。足りない部分はありますが、今後も映画を作っていきたいと思っていますので、機会があったらぜひ劇場で見てください」と意欲を見せた。

 

Journey』の次回上映は7月23日(土)13時50分から多目的ホールで行われ、ゲストによるQ&Aも予定されている。オンライン配信は7月21日(木)10時から7月27日(水)23時まで。

 


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