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【デイリーニュース】vol.18 関連企画 カメラクレヨン「映像学習プログラム傑作選」
子どもたちの才能に刺激! 映像学習が開く未来の扉の可能性
登壇した松山竜一郎プロデューサー(左)、村野佑太監督(右)
埼玉県が行うプロジェクト「映像学習」で制作された作品に中から選ばれた6校が作品を発表した「カメラクレヨン」。映像学習では、企画から撮影、編集、スタジオ収録まで児童が主体となって映像制作を行う。このプロジェクトを通じて、子どもたちは責任感やチームワークまたメディアリテラシーなどを学習する。
今回は、「ニュース」「公共CM」「アニメーション」という課題の中から学校がプログラムを選択し、制作を行った。
作品の講評は、アニメーション制作会社「株式会社亜細亜堂」のアニメーションプロデューサー松山竜一郎さん、村野佑太監督の2人。
松山さんの担当作品としてTVシリーズ「忍たま乱太郎」「きまぐれオレンジ☆ロード」「ミラクル☆ガールズ」などの代表作が、村野さんの代表的監督作としては「ブレイブビーツ」『ぼくらの7日間戦争』が紹介された。
発表は、コロナ禍での安全性を配慮し、3校ずつ前後編に分けて行われた。前半の3校は、川口市立上青木小学校、川口市立十二月田小学校、川口市立戸塚東小学校。
ごみ問題をテーマに環境について描いた川口市立上青木小学校の「ごみ問題」には、村野さんは「実際に落ちているゴミに気づき、そのカットを入れた構成力」、松山さんは「ごみ問題を分かりやすい言葉で表現したシナリオの説得力」と講評した。
避難訓練をテーマにした川口市立十二月田小学校の「ひなんくんれん」 には、「特撮魂に溢れた絵作りが面白かった」(村野)、「観る人を楽しませようという気持ちが前面に出ていた」(松山)。
宇宙から見た地球で環境問題を表現した川口市立戸塚東小学校「宇宙飛行士が見たものは?」には、「ファーストカットからセンスの塊だった。偶然映り込んだものがひとつもなく、すべて作り込んだ映像だったことに驚いた」(村野)、「映えた青空が非常に効果的だった」(松山)。
後半の3校は、川口市立戸塚綾瀬小学校、川口市立飯仲小学校、川口市立戸塚南小学校。
1年生の交通安全教室を取材した川口市立戸塚綾瀬小学校「1年生 わくわくドキドキ交通安全教室」には、「ニュースに必要な画がすべて揃っていた。事実を描くときにリアクションを拾うと分かりやすくなる。そんな技術も使えていた」(村野)、「とても見やすく分かりやすいニュース映像になっていた」(松山)。
30秒という短い時間で水の無駄遣いを訴えた川口市立飯仲小学校「水の使い方に喝!」には、「大事なことを貯めて言わず、最後に『喝!』と訴えたのがインパクト抜群だった(村野)」、「滝行、水道の水など音の演出がうまくできていた」(松山)。
ストップモーションアニメで海の環境保全を描いた川口市立戸塚南小学校「ごみをなくして海の資源をまもろう」には、「アニメーションを作る大変さはよく分かっているが9時間で作ったとはすごい! 海中のライティングがきれいだった」(村野)、「風や水の効果音がよかった。それを声で作っているのも面白かった」(松山)。
どの作品も高評価。最後は「子どもの頃にこんなふうな授業があったら」と語る2人から、「僕もどんな世代に向けた作品にも、世間が必要としているメッセージやテーマを盛り込んでいきたいと思います。皆さんもやりたいと思ったことは、きちんとやりたいと伝えて、納得いくまで突き詰めてみてください」(村野)、「学校の授業も大切ですが、好きなことを突き詰めた時間は決して無駄にはなりません。興味を持ったことを大切に育ててください」(松山)というアドバイスで結んだ。
講評の間に紹介された村野監督の劇場アニメーション『ぼくらの7日間戦争』や「かくしごと」、松山プロデューサーの「忍たま乱太郎」。映像に興味を持った児童らが、帰りすがら掲出されたそれらの作品ポスターの前で「観たい!」とねだる姿が微笑ましかった。
映像学習は、埼玉県全域の小中学校を対象として活動を行っている。今年は偶然にも、「カメラクレヨン」選出作品すべてが川口市の学校だった。