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【デイリーニュース】 vol.05 セミナー:「特撮とVRの融合―今後VRのキラーコンテンツとなり得るか―」押井守監督、田口清隆監督

「VR嫌いの押井ですっ!」で衝撃の幕を開けたVRの可能性とは?

登壇した押井守監督(左)と田口清隆監督(右)

 

VR元年と呼ばれた2016年。その波は映画界に広がり、今では世界三大映画祭でもVR作品の特集上映が行われるまでになった。本映画祭においても昨年からVR作品の上映に注力し、〈Dシネマ—新たなる潮流〉と名付けた企画で世界のVR作品を上映して好評を博した。今年は海外の映画祭でも評価の高かった日本のVR作品にフォーカス。田口清隆監督の『ウルトラマンゼロVR 大都会の戦慄 エレキング対ゼロ』、上田慎一郎監督の『ブルーサーマルVR -はじまりの空-』の2本が、7月14日(土)、15日(日)の2日間にわたって上映される。

 

本年も昨年に引き続き関連企画としてVRイベントを開催。17日13時30分から1回目のセミナー「特撮とVRの融合 ―今後VRのキラーコンテンツとなり得るか―」が行われた。田口清隆監督と、特別ゲストとして押井守監督が登壇。『ウルトラマンゼロVR〜』の製作秘話を交えながら、VRならでは映像表現の可能性についての議論がかわされた。

 

『ウルトラマンゼロVR 大都会の戦慄 エレキング対ゼロ』製作秘話

 

「VR嫌いの押井です!」。冒頭、押井監督の衝撃的な挨拶で爆笑となった会場。しかし、その効果は絶大。来場者はその真意を探るべく注意深く耳を傾けることになった。

 

両監督が席につき、セミナーは開始。今回のテーマは「特撮とVRの融合」であり、『ウルトラマンゼロVR〜』はまさにそれを体現した作品だ。実際どのように撮影されたのだろうか。同作のメイキング映像を流しながら、田口監督による解説が行われた。

「最初にウルトラマンをVRでやってほしいという発注がきました。VRは没入感がすべてです。そのため、普段の生活のなかから突然怪獣が出てきて、ウルトラマンが登場するという流れを思いつきました。その打ち合わせをしていた会議室で、『例えばこの会議室の窓越しに怪獣ができてくるのはどうか』という提案をしたところ、実際にその場で撮ることになりました。打ち合わせとロケハンがその場で完了するという(笑)」

 

技術が成熟していないため、試行錯誤の多いVR撮影。本作は特に特撮ならではの苦労も多かった。「通常、カメラがあったらそこにスタッフさんはいるんですよね。だけど360度映るので、とにかくスタッフは隠れなくてはいけない。これは特撮じゃなくてもえらいことですが、特撮は通常カメラに映る部分だけを作るので、360度全部作るのは非常に大変でした」

 

VRは映画にならない?

 

冒頭の挨拶で牽制したように、押井監督はVR映画に懐疑的だ。しかし、一方的に否定するのではなく、VR技術に対して期待も寄せている。

「VRは映画にならないというのが僕の持論です。編集できないものは映画じゃない。もちろん映画でも長回しのワンショットってあるんだけど、意味が違う。基本的に時間軸で編集してひとつにみせていくものなのにもかかわらず、この手が使えなくなっちゃう。さらにVRって客観というものがないじゃない。客観的な絵を出しようがない。客観がないということは時間を操作できないということ。主観の時間を切れないから。VRで劇映画を目指すのは無理。ただし、体験するものやゲームなどでは成立するし、面白い。僕がいままで体験したVRのなかで、一番感心したものは『マリオカート』のVR。コックピットのように自分の位置が固定されているものは、VRに向いているって思ったよね」

 

もしVR作品を撮ることになったら……?

 

VR技術に対して一家言ある押井監督。しかし、もし今後どうしてもVR映画を撮らなければならないことになったら、という質問が振られると……。

「ホラーっぽいものをやってみたいな。どこかに隠れてて外側で何かがおこるみたいな。これなら後ろ側を撮らなくていいし。デイヴィッド・リンチの『ブルーベルベット』(87)みたいに納戸のなかに入っていると、外でいろんなことが起こるみたいな。10分とか15分なら十分持つなと。全身の体験で30分とか続けるのは無理だと思うんだよね」

 

一方、田口監督もとっておきのアイデアを披露。「ひとつだけ恐ろしい発明を考えたんですが、家族全員のお食事をVRカメラで撮っておくと、恐ろしい映像が撮れてしまうんではないかと。20年後とかに泣きながら見て「みんな生きてた!」みたいに(笑)。『マイノリティ・リポート』(02)でトム・クルーズが泣きながら娘の映像を見ているシーンがあるんですが、それは実現するのかもしれませんね」

 

押井監督もその意見に同意し、「個人的な需要、プライベートな体験のアーカイブ化はあるかもね。誕生日やパーティとか。それは家族だけじゃなくて、特定の誰かっていうこともあるかも」とVR作品が持つ奥深い可能性を指摘した。

 

あらゆる可能性を秘めたVR。劇映画として成り立つかどうかはさておき。まずは体験してみてはいかがだろうか。

 

VR上映は15日(日)も開催。上映回は①13:00~ ②13:30~ ③14:00~ ④14:30~ ⑤15:00~ ⑥15:30~ ⑦16:00~ ⑧16:30〜。午前11時から「VR上映入場整理券」を SKIPシティHDスタジオ前で配布する。入場無料、定員各回8名。


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