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【デイリーニュース】Vol.22 関連企画「カメラクレヨン~子どもたちは映像クリエイター!~」舞台挨拶

大人も顔負けの発想力と注意深さ!映画監督ら絶賛の映像作家の卵たち

真田幹也監督、鶴田法男監督を囲む「川口子ども映画クラブ」「CGアニメーション教室」参加者生有志

 

カメラクレヨン~子どもたちは映像クリエイター!~」は、川口市内の小学4年生以上の子どもたちに声を掛け、有志が5日間で企画から撮影・編集までを体験するクラブ「川口子ども映画クラブ」が制作した作品を上映する無料イベント。7月20日(土)14時30分から参加されたお子さんを交えて行われた。今回は、ホラータッチの青春コメディ『明日はハレ』と、友人を助けて声帯を痛めた歌手の再起を描いた『アンコール』の2作品を上映。加えて、「CGアニメーション教室」に参加した小学生の作品180本の一挙上映、「特別ワークショップ のぼって おりて だんだんアニメーション」の上映を行った。

 

「川口子ども映画クラブ」で制作された上映作品の講評は、真田幹也監督とサプライズ登壇となった鶴田法男監督が担当。俳優としても活躍する真田監督は、SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2019の国内コンペティション 長編部門に『ミドリムシの夢』がノミネート。昨年度は、埼玉県の若手映像クリエイター支援事業としてユニバーサルミュージックアーティスツとSKIPシティが共同製作した『尾かしら付き。』が特別上映されるなど映画祭との縁は深い。一方、鶴田監督は「カメラクレヨン~子どもたちは映像クリエイター!~」と深いつながりを持つ。実は昨年、川口子ども映画クラブの特別講師を務めていただき、当日は、子どもたちと一年ぶりの再会だったという。

 

左から『明日はハレ』チーム、『アンコール』チームの有志

 

上映は、『明日はハレ』から。ほのかな恋心を抱く少年と少女が閉鎖されたエレベーターに乗って、肝試しを行う青春映画。無事に戻り、恋も成就するが、その後、彼らの後ろに見知らぬ影が付きまとう、というホラー要素もある。クラブでは知らない同士でチームを組むため、『明日はハレ』チームからは、「撮影よりみんなとのコミュニケーションが難しかった」という声が。鶴田監督は「大人になると、知らない人とチームを組んで、1つの目標を成し遂げなければならないことが増えていきます。そんなときはこの作品を見直して、このとき味わった緊張感や、コミュニケーションがうまくいかなくて落ち込んだ気持ちを思い出し、それでもこんな素晴しい作品を完成させられるんだと自信を持ってください」とエールを贈った。

 

続いて『アンコール』。火事の現場から、親しい女の子を救い出した人気歌手である少年。少女は無事だったが、少年は声帯を痛め、歌えない体に。だが彼女は間もなく英国に留学するという。旅立つ前に彼の歌が聴きたいという少女の願いを叶えるため、少年はライブを敢行しようとするが……。エモーショナルな作品で、肝になるのは、最後のライブシーンで少年が歌う曲と撮影アングル。そこについて『アンコール』チームは、「楽曲は、無料で使えるものを調べて、これいいなという曲に決めました」としっかりと回答。ライブシーンのカメラアングルについては、「講師の先生のアドバイスを聞いて、たくさん人がいると見えるよう、観客を横から撮りました」と素直に語り、真田、鶴田両監督から絶賛された。

 

左から「CGアニメーション教室」1~3年生講座、4~6年生講座に参加した有志たち

 

川口子ども映画クラブの作品はここまで。次は「CGアニメーション教室」で制作されたアニメーション一挙180本の上映。同教室は、1年から3年生のクラス、4年から6年生までのクラスに分かれて18講座が行われた。教室では、タブレットで描いた絵を1秒間に6枚動かすアニメーションを作った。総評を述べた真田監督は、180作品に対してメモを取り、色遣いやスケール、背景の選び方、発想、表情、構成力など、さまざまな観点から良かったポイントを伝えた。2回参加された生徒もいるくらい人気のある同教室。人気の理由がわかるような、質の高い作品群だった。

 

「特別ワークショップ のぼって おりて だんだんアニメーション」の企画を担当した映像ミュージアム・仲本さん

 

今年は、「特別ワークショップ のぼって おりて だんだんアニメーション」で制作された作品も上映。企画を担当した映像ミュージアムの仲本さんは、「だんだんのだんとは、段ボールの段と、階段の段。段ボールに大きく描かれた絵を持ちかえることで、アニメーションを動かします」と、ワークショップの内容を説明した。異なる絵が描かれた3枚の段ボールを持ちかえることで、キャラクターが飛び跳ねながら階段を昇り降りするように見える仕掛け。段ボールを持つ人が物理的に移動するので、撮影は少しだけ大変だという。だが、完成した作品はとても楽しいものに。反響があれば、次回開催を考えるとのことなので、興味を持った方は事務局にお問い合わせください。

 

取材・構成・撮影:関口裕子


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