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【デイリーニュース】vol.23 クロージング・セレモニー(表彰式)開催!
見逃し厳禁な傑作ぞろいの第21回。講評を読んで気になった作品はオンライン配信で!
前列は第20回の受賞者。後列は審査員、実行委員、主催者
7月13日(土)から9日間にわたって開催された、第21回SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2024。今年は、国内外のコンペティションや野外上映、ワークショップの成果発表上映会「カメラクレヨン」のほか、本映画祭出身の白石和彌監督らがトークを行った「商業映画監督への道」や、みんなが観たいとアンケートで選んだ作品の上映や字幕翻訳家の戸田奈津子さんの関連トークショー、川口駅前でのイベントなど新しい企画が加わった。
最終日の21日(日)は、受賞作品の上映に先駆けてクロージング・セレモニーと表彰式が行われた。まずはSKIPシティ国際映画祭実行委員会会長の大野元裕埼玉県知事が挨拶。
「13日より開催致しましたこの映画祭も、本日、クロージング・セレモニー、表彰式を迎えることとなりました。ご来場いただいたみなさん、そして昨日から始まったオンライン上映をご覧をいただいているみなさんに、心より感謝を申し上げます。また映画祭を支えていただきました川口市や企業、団体のみなさまにも感謝申し上げます。今年の映画祭は、国際、 国内コンペティションにとどまらず、名作映画やアニメーション映画の上映、映像制作のワークショップ、さらにはキュポ・ラ広場でのマルシェなど、まさに祭というのにふさわしい多彩な催しを開催致しました。
国際、国内コンペティションでは、応募いただいた1201作品から24作品を厳選し、上映させていただきました。それを国内コンペティションは横浜聡子審査委員長、国際コンペティションは白石和彌審査委員長を中心とする審査員のみなさまに厳正な審査をしていただいた。重ねて感謝を申し上げたいと思います。先日、記者会見で横浜審査委員長が、『作品を多くの人に見てもらい、他者の作品を浴びるように見ることで、クリエイターの感覚は研ぎ澄まされ、成長に向かうもの。そういう意味でも映画祭は貴重な場所である』とおっしゃられていました。今回受賞された方も、惜しくも逃された方も、映画祭で受けた刺激を糧に飛躍し、さらなるチャレンジを続けていただきたいと思っています」
左からSKIPシティ国際映画祭実行委員会会長・大野元裕埼玉県知事、八木信忠総合プロデューサー
続いて、八木信忠総合プロデューサーも挨拶。いよいよ、各賞の受賞作・受賞者の発表となった。受賞のコメント、および審査委員長の総評は以下の通り。(*受賞一覧はこちら)
【国際コンペティション部門】
最優秀作品賞(グランプリ)
『日曜日』ショキール・コリコヴ監督
『日曜日』ショキール・コリコヴ監督
「ありがとうございます。最優秀作品賞をいただいたことをとても嬉しく思います。この国際映画祭のおかげで、私は初めて日本を訪問することができたことも嬉しく思っています。これは私の初めての長編作品です。脚本は自分で2年間かけて書き、撮影は10日間で終えました。この賞は私だけの賞ではありません。映画はひとりの力だけで作られるものではなく、大勢の力、グループの力で作られるものです。私のグループもこの賞をいただけたことをとても喜ぶと思います。また、この賞はウズベキスタンの人々に対する賞でもあります。次作は早めに撮影して(笑)、日本でも上映できるよう頑張ります」
【講評】白石和彌
「本当に素晴らしい映画でした。ウズベキスタンの田舎の老夫婦の日常を綴っていきますが、物語はほぼ中庭だけで展開していく。その構成もですが、なんでもない日常がこれほど愛おしいということに驚かされました。この時間が永遠に続いてほしいと思わせられるわけですが、人生と同じで映画には終わりがある。そこの描き方も素晴らしい映画でした。中庭というミクロな世界を描きながら、スケールの大きさを感じさせる。連綿と続く人間の営みをユーモラスに、ときに残酷に、なおかつ現代社会へのメッセージも込めて描く。美しく、本当に心が洗われるような映画。おめでとうございました」
監督賞
『連れ去り児(ご)』カラン・テージパル監督
『連れ去り児(ご)』カラン・テージパル監督
「審査員のみなさまに感謝申し上げます。この映画のジャーニーの始まり、長編映画を作ろうと思い立ったのは10年前になります。『連れ去り児(ご)』の企画がスタートしたのは5年前の2019年で、今もその旅は続いています。たいていの監督にとってそうだと思いますが、初長編を撮るということ自体が素晴らしいギフトです。その上にこのような賞をいただけて、本当にみなさんに感謝しています」
【講評】荒木美也子
「重厚なテーマをひとりでも多くのお客様に届けるには、ということを監督は考えられ、今回のようにエンターテイメント性とスリリングなものを掛け合わせたのだと思います。アクションだけでなく人物描写の繊細さや社会的背景が伝わってくる、長編第一作とは思えない素晴らしい演出でした。監督がおっしゃるようにスタッフの力もありますが、オーケストラでいうところの指揮者として監督の力量は傑出していたと思います」
審査員特別賞
「ありがとうございます。この映画は1年くらい前に撮ったんですけど、どういう風に受け入れられるのか、どういう印象を持ってもらえるのか本当にわからないまま、ただ初期衝動のように突っ走って制作して完成まで行きました。今回初めて上映して、このような貴重な賞をいただき、貴重なご意見をいただいて、本当に作ってよかった、やってよかったという思いを噛みしめています。出演者の子どもたちはこれから未来に羽ばたいていくこれからの人たちなので、この賞をすごく喜んでくれると思うし、これが彼らの励みになったらいいなと思っています」
【講評】武井みゆき
「私は配給会社の人間なので、賞を決める際には映画祭という特別な場所だけではなく、日本全国の方たちにお見せしたいと思える映画かどうかがポイントでした。この作品は主人公だけでなく、周りにいる大人の描き方も素晴らしい。こういう時代に子どもを守らなくてはいけない大人も傷ついていて弱い、ということを監督がきちんと受け止めていて、映画を見た後少し強くなれるような気がしました。ラストは今年観た映画の中で一番感動しました」
SKIPシティアワード
「この1週間、映画祭を楽しませていただきました。初めて映画を上映して、いろんな意見を聞かせていただいて、他の色々な作品も観せていただいて、とても充実した1週間を過ごしました。その上、こういう素晴らしい賞をいただき、横浜監督に意見を言っていただいて、すごく興奮しております。この賞に恥じないように、これからいい映画を作っていきたいなと思います。ありがとうございました」
【講評】横浜聡子
「国内コンペティションの短編部門と長編部門の2つの賞は審査員の意見が割れましたが、この賞は唯一、満場一致でした。この映画が世の中に必要な作品であることをそれぞれが確信したんだろうと思います。ひとつのシーンを描くのに可能な限り遠回りしているからこそ豊かで無理のない流れの構成になっていることに驚きましたし、ラストの斬新さにも心打たれました。俳優のみなさん、特に主人公役の西口千百合さんは目を見張る素晴らしさでした。ぜひこの映画を見て彼女の存在を知っていただきたいと思います」
観客賞
『連れ去り児(ご)』カラン・テージパル監督
『連れ去り児(ご)』カラン・テージパル監督
「今回の最大の勝因はおそらく、ローカルなアイデアで、私にとっては個人的なテーマを描いたことだと思います。この作品が文化圏を超え、国を超えて日本のみなさんにこのように響いたというのは、私にとって非常に意義深いことです。長年抱えてきたプロジェクトが、今カタルシス的な瞬間を迎えたと感じています。上映の機会を与えてくださった映画祭と、投票してくださった観客のみなさんに感謝申し上げます。映画は監督ひとりで作るものではありません。ですので、本当に大変な撮影に協力してくれたスタッフ全員のための賞だと思っています。ありがとうございました」
【国際コンペティション部門総評】白石和彌審査委員長
「9日間にわたる映画祭、本当に皆さんお疲れ様でした。特に寝る時間も惜しんで映画祭の運営に関わってくださったスタッフやボランティア、ゲストの監督や関係者、俳優のみなさん。本当にありがとうございました。どれほど刺激を受けたかわかりません。この刺激を、今後の作品に活かしていこうと思います。
国際コンペティション部門の10作品は、本当にどれも素晴らしく、毎日ワクワクしがらスクリーンに臨み、見終わった後は今のすごかったねと話しは尽きませんでした。誰もが言っていますが、僕も受賞の有無に差はないと思っています。残念ながら受賞には至りませんでしたが、印象に残る作品がめちゃくちゃ多く、横浜監督と同じくもっと賞を出したいと思ってしまいました。
まずレア・トドロフ監督の『マリア・モンテッソーリ』。モンテッソーリの生き方に圧倒される、美しくパワフルな作品。自分の生き方を問われているような気持ちでした。多様性が求められる現代的な側面もある素晴らしい映画でした。
ジュディス・ボイト監督の『子を生(な)すこと』もそうです。 出演者の友人であるボイト監督が、喜怒哀楽をともにしながら、10年もの長い時間、愛について描いていくわけですが、人生はなかなか思った通りにはいかない。でも形を変えながらも、そこに愛があれば、どんな困難も乗り越えられる。それを私たちに教えてくれました。見てる間、ずっとこの2人が幸せになってくれることを祈っているわけですが、見終わってみると実は幸せにしてもらっているのは僕たちなんだと気づく。本当に素晴らしい作品でした。
『マスターゲーム』『Before It Ends』と過去の戦争や紛争を題材にした映画も印象的でした。人類はこれまでさまざまな戦争を経験していますが、ウクライナだったりパレスチナだったり、 なかなか過去の教訓に学ぶことができない。それでも映画はメッセージを届けるという、重要な役割を果たせることを示してくれました。 そういった作品が監督作3本以内という映画祭で上映される。そのことに僕は感動してしまいました。自分自身に、今後、何を作品のテーマにしていくか問いかけながら見せていただきました。
ハサン・デミルタシュ監督の『別れ』は、個人的に最も印象に残った作品です。トルコのクルド人の生活を描いた、監督の自伝的な作品で、1990年代のトルコ・クルド紛争によって、都会に移住しなければならなくなった家族を描いていますが、ご存じの通り、 ここ川口では、クルド人問題が起き、ネットにはクルド人に対するヘイトスピーチが溢れ返っています。Q&Aのときに、ハサン監督は「私は伝書鳩になってクルド人の生活、文化を世界中に届ける。それが役目だ」と言っていました。大切なのは相互に理解すること。どんな移民問題も、解決の糸口はそこなのだと思います。伝書鳩になって世界中に届けるというハサン・デミルタシュ監督の気持ちに心を打たれました。そうした映画が、埼玉県川口市で行われる映画祭のコンペティションに選定されることの意義を、僕はSKIPシティDシネマ映画祭の静かなメッセージとして捉えました。こういう作品を上映することにも、映画祭の意義はあると思っています。
よく映画はお客さんに見てもらって完成すると言います。今回、ゲリラ豪雨や猛暑など、映画祭に足を運ぶのを妨げる要素も多々あったと思います。でも、これだけ素晴らしい映画を毎日上映しているので、 ぜひとも若いお客さんにもっと見てもらいたい、会場全体をお客さんの熱気で溢れさせたいと思ってしまいました。今年で21回目ですが、25回、30回と続ける中で、そうなっていってほしいと切に願います。そのお手伝いできることがあれば何でもしますし、そういう努力が必要なんだろうなと通っていて感じました。 みなさん、本当におめでとうございました」
左から国際コンペティション部門の審査を行った武井みゆき、白石和彌、荒木美也子審査員各氏
【国内コンペティション部門】
優秀作品賞•長編部門
「ありがとうございます。(トロフィーが)重いです。この重さを噛みしめながら今ここに立たせていただいています。この作品は大学の卒業制作としてみんなで撮った作品です。やるからにはやれることを全部やりきってから卒業してやろうという気持ちで作りました。その作品を映画祭という場で見ていただけて、こうして賞までいただけて、とても光栄に思っております。大学の教授で監督、俳優でもある鈴木卓爾さんが『この映画はみんなの場になる作品だね』と言ってくださったことがすごく心に残っています。この映画がみなさんにとっていろんな場となって、心に留めていっていただけるような機会を今後も作れるように、 映画製作およびこの『折にふれて』という作品とともに今後も歩んでいけたらいいなと思っております。本当にSKIPシティ国際Dシネマ映画祭という素敵な映画祭で上映していたけただけで光栄でした。ありがとうございました」
【講評】川瀬陽太
「映画の優劣を決めるというのは非常にナンセンスなことだと思います。受賞を逃した方々も『選ばれなかった』ということではありません。これは僕らの中で、かけがえのない瞬間がどれだけ映っているかという非常に主観的な感覚で選んだ結果です。当たり前ですけど、1本目はもう二度と撮れないんですね。この作品にはかけがえのない瞬間、光みたいなものが映っていたように思います」
優秀作品賞•短編部門
「受賞できるとは全く想像していなくて、自分のダメだったところをたくさん考えてたんですけど。この作品は自分の家族のことや、自分の内向きなところをどうにかしたいという思いを込めて作りました。キャストやスタッフの方たちは仕事もある中で時間を割いてくださって、しかも初めてのロケや泊まりがけの撮影で私も監督の仕方がわからない中、すごく助けてもらって、脚本の開発もみんなが一緒に考えてくれて。だからこの作品を作って本当によかったと思っています。みなさんには本当に感謝の気持ちしかありません。ありがとうございました」
【講評】メイスク・タウリシア
「この作品は、若いときにしか経験できない自由でナイーブで責任を伴わない貴重な年月を明るく捉えていますが、やがて彼女は大人の責任というものを知ることになります。彼女が下す重大な決断が正しいのか間違っているのかは彼女の知るところではありませんし、我々がジャッジできるものでもありません。彼女が自分で自分のことを決められるようになったということです。我々審査員は非常に貴重なものを見ていると感じました」
観客賞•長編部門
「前回、短編を出品したときに観客賞をいただきました。投票してくださった方々、ありがとうございます。前回の『ムイト・プラゼール』という映画を撮ったときに、自分は才能がないんだなということがよくわかったんですね。冗談ではなく、年をとるとそういうのがわかってしまう。でもそのときに、優れたスタッフと優れたキャストを集めれば、映画は素晴らしくなるんだなと思って、同じ手法で今回も作ったらこういった賞をいただけたので、本当にスタッフとキャストの方々に感謝しております。SKIPのスタッフの方々にも本当お世話になりました。ありがとうございました」
観客賞•短編部門
「かなり中身のない作品で、だらだらと喋ってるだけなんですけど、始まりはかなり個人的な、繊細でセンシティブなところが一応詰まっている作品だと思っているので、もしそれが伝わっていれば幸いです。ありがとうございました。これからも頑張ります」
【国内コンペティション部門総評】横浜聡子査委員長
「審査員であると同時にひとりの観客としてワクワクしながら映画を見せていただきました。今の若い方は、機材が発達していますし小さい頃から動画に慣れ親しんでいる世代なので、技術的なクオリティが高い作品が多いのかなと思っていたんですが、みなさんの作品は技術的クオリティばかりに寄り掛かるのではなく、自分なりの方法で世界に触れようとしているその姿勢がダイレクトに私の胸に飛び込んできて、嬉しかったと同時にほっとしました。
受賞されなかった方の作品についていくつかお伝えしたいと思います。
渡辺咲樹監督の『チューリップちゃん』は、いかにも可愛らしくて個性的な絵と声優の脱力的な芝居が繰り広げられる中、人間は成長、変化しなければいけないというある種の強迫観念に追い詰められて取り残されてしまう女性のシリアスなテーマが描かれていました。ある瞬間にそういった世の中の論理が覆されて最終的に主人公がハッピーエンドを迎えるという思いがけない展開にびっくりして、心を打たれました。
張曜元監督の『相談』は、手持ちカメラのワンカットでシーンを作っていくという手法はそれほど珍しいものではありませんが、カメラと被写体の距離感が的確に保たれていて、次に何が起こるかわからない緊張感が常に映画の中に張り巡らされていました。西岡徳馬さんというベテラン俳優に引っ張られることなく、作り手の世界に引き寄せて映画を成立させているところが本当に素晴らしいと思いました。
畔柳太陽監督の『松坂さん』は、カウリスマキの映画を思わせる独特な佇まいで、表情の豊かさや感情的な喋り方ではなく、非常に淡々としたお芝居の抽象化された表現の中に20代の彼らの等身大の切実さというものがにじみ出ていて、彼らの孤独を自分のもののように感じることができました。脚本や手紙など、映画に詰め込まれたアイテムのひとつひとつが物語に不可欠なものとして生かされていたと思います。
本当は全ての作品についてお伝えしたいんですが。みなさん、本当にありがとうございました。お疲れ様でした」
左から国内コンペティション部門の審査を行ったメイスク・タウリシア、横浜聡子、川瀬陽太審査員各氏
国内コンペティション部門の横浜聡子審査委員長の総評に続き、SKIPシティ国際映画祭実行委員会副会長の奥ノ木信夫川口市長が挨拶。
左から土川勉映画祭ディレクター、SKIPシティ国際映画祭実行委員会副会長の奥ノ木信夫川口市長
「今年も多くのお客様にお届けできたことを大変嬉しく思います。集計途中でありますけども、 現時点で6500人を超える方にご来場いただきました。スクリーン上映は 今日で終わりますが、配信は24日までありますので、引き続きお楽しみいただければと思う次第です。
最優秀作品賞を受賞した『日曜日』のショキール・コリコヴ監督をはじめ、各部門の受賞作品関係者の方々に心からお慶び申し上げます。今年の映画祭は、 素晴しい作品をご覧いただくだけでなく、映像制作への参加体験、映画監督や関係者との交流を通じて、映画の楽しさや魅力をさらに感じてもらえる企画を多く設けました。先ほど、白石和彌監督がクルド人に関する映画のお話をされました。実は、 川口市は、日本で一番外国籍の方の人口が多いんです。私が市長として目指しているのは、共生社会です。ただそれを実現するにはとても時間がかかります。国際映画祭という場所で、みなさんに理解していただければありがたいです。最後になりましたが、ご参加の皆様のますますのご活躍を ご祈念、ご期待申し上げまして、挨拶とさせていただきます。今日は本当にありがとうございました」
最後は、土川勉映画祭ディレクターの挨拶。「埼玉県、川口市、川口商工会議所関係者のみなさま、1次審査から本審査まで審査に参加していただいたみなさま、この映画祭を陰で支えていただきました全てのみなさま、そして映画祭に参加してくださった全てのゲストと観客のみなさまに、この場をお借りして感謝の意を表したいと思います。また来年もこの場でお会いましょう。ありがとうございました」
取材・構成:金田裕美子 取材・構成・撮影:関口裕子