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【デイリーニュース】 vol.22 関連企画「カメラクレヨン~子どもたちが作った映画がいま、面白い!~」 Q&A
大人顔負け⁉︎ 子どもたちのアイディア満載映像制作
川口子ども映画クラブが制作した短編映画と、小学生の映像学習プログラムから生まれた作品を上映する関連企画「カメラクレヨン~子どもたちが作った映画がいま、面白い!~」が、多目的ホールで行われた。
映像学習プログラム傑作選
昨年度、埼玉県内の小学校の映像学習プログラムで制作された650本以上の中から公共CM4本、ビデオニュース1本を厳選。各作品の上映ごとに制作・出演した児童と指導した先生方が登壇し、撮影の苦労や思い出などを語った。
「目の悪い王子様」戸塚東小学校(左)、「勇者天からのクレーム」飯仲小学校(中央)、「ひとつぶだってもったいない」新郷南小学校(右)
「目の悪い王子様」は昨年に続く参加の戸塚東小学校の作品で、童話「シンデレラ」がモチーフ。シンデレラを追いかける王子が、視力が悪かったために転んでガラスの靴を割ってしまうというコミカルな内容。靴が割れて破片が飛び散る描写が見事だが、王子役の男児は「何回も転んで、足が痛くなって大変でした」と苦笑いで撮影を振り返った。
飯仲小学校による「勇者天からのクレーム」は、RPGゲームの世界で敵を倒した勇者が廊下の落とし物につまずいてしまい、「廊下に物を落とすな」と訴える。アイデアを考えた男児は、「メッセージをより面白く伝えるために、考えました」と話した。
「ひとつぶだってもったいない」の新郷南小学校も、2年連続の参加。1食で米1粒を残すと、1年で1000粒余、80年で8万粒以上になってしまうことを、児童作のタイトルを連呼する独特のリズムの歌とダンスで表現した。
「リサイクルをしよう」中居小学校(左)、「校舎の不思議」松原小学校(右)
中居小学校が制作した「リサイクルをしよう」には、指導した先生も出演。ペットボトルがTシャツに変わるさまなどをカメラ移動と編集で絶妙な切り替えを見せ、疲れてフラフラだった先生も元気になるという遊び心も取り入れた。
松原小によるビデオニュース「校舎の不思議」は、同校の校舎屋上にソーラーパネルが設置されており、さまざまな形で役立っていることをクイズ形式で紹介。リポーター役の女児は、「見てくださる方が楽しみながら、すごいことなんだと知ってもらえるように心がけました」と笑顔で語った。
川口子ども映画クラブ制作『ラリー&スマッシュ』『DISTRESS CALL 恐怖の夏休み』
川口子ども映画クラブ制作の作品は、『ラリー&スマッシュ』と『DISTRESS CALL 恐怖の夏休み』の2本を上映。両作品とも、小学5、6年生が昨年の夏休みに企画から脚本、撮影、編集まですべてを行った。
『ラリー&スマッシュ』(左)、『DISTRESS CALL 恐怖の夏休み』(右)を制作した川口子ども映画クラブ
『ラリー&スマッシュ』は、弱小バドミントンチームの女児4人が、敗れた相手のコーチに指導を願い出るスポ根ドラマ。主人公の1人を演じた女児は、「皆初めましてなので、最初はあまり仲良くなかったけれど、撮影をしている間に役名で呼ぶようになって、最後は楽しくなった。役になりきれたかなと思います」と胸を張った。
女性科学者が助けを求めるという同じ夢を見た小学生たちが、監禁されているとされる研究所に潜入する『DISTRESS CALL 』。ホラーにアクションの要素も加わり、さらにラストにはどんでん返しもあるというエンターテインメント性に富んだ作品だ。
ゲストには制作会社ロボットの丸山靖博プロデューサー、昨年の映画祭短編部門で奨励賞を受賞した『サイレン』の三宅伸行監督が登壇し、子どもたちの力量、純粋で真っすぐな映像作りに感心しきり。
株式会社ロボット・丸山靖博プロデューサー(右)と三宅伸行監督(左)
丸山氏は、「どれも完成度が高くてビックリした。伝えたいことが伝わるように、ちゃんと音も録れている。実は、これは大人でもあまりできていない。映画を作り続けてほしい」と絶賛。三宅監督も、「正直、こちらが勉強になった。ひとつの目標に向かってものを作る作業は貴重。映像に限らず、これからの人生のいろいろなところで役に立つと思う」とエールを送っていた。