SKIP CITY INTERNATIONAL D-Cinema FESTIVAL

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【デイリーニュース】 7月19日(金)
vol.29 IDCF傑作短編WEB投票「あなたが選ぶベスト3」結果発表!
授賞式&受賞作品上映

左から第1位『小さなユリと 第一章・夕方の三十分』に主演した井俣太良さん、第2位『ケンとカズ』の小路紘史監督、第3位『ユメのおと』の角川裕明監督

 

 2004年にスタートしたSKIPシティ国際Dシネマ映画祭の10週年特別企画として、近年人気上昇中の短編コンペティション部門から、過去の受賞作を中心に選ばれた9作品が5月15日から6月20日までの約5週間にわたって映画祭公式サイトより配信され、Web投票の結果、第1位『小さなユリと 第一章・夕方の三十分』、第2位『ケンとカズ』、第3位『ユメのおと』のベスト3が決定。記念上映にともなって表彰式が行われ、映画祭実行委員会事務局の瀧沢裕二ディレクターよりそれぞれに盾と賞金が授与された。

 

 第3位に選ばれた『ユメのおと』は、オムニバス映画『埼玉家族』で鶴見辰吾さん主演の三話目<父親輪舞曲>を担当した角川裕明監督による、2012年の短編部門最優秀作品賞受賞作。聴力を失って歌手の夢をあきらめた雪華とやりたいことが見つからない海斗の交流をミュージカル形式で描き、角川監督は「ミュージカルに馴染みのない日本での3位は嬉しい。これをワンステップとして日本におけるミュージカル映画のさらなる普及につとめていきたい」とコメントした。

 

 第2位に選ばれた『ケンとカズ』は、麻薬の運び屋から足を洗おうとするカズとそれを快く思わないケンとの軋轢から思いもよらない展開を23分の中で語り、2011年の奨励賞を獲得している。小路紘史監督は9月より本作の長編バージョンの撮影を予定しているそうで、「この受賞を励みにしたい」と意欲を見せた。

 

 そして第1位に輝いたのは、黒田三郎の同名詩集を原案とした和島香太郎監督の『小さなユリと 第一章・夕方の三十分』。手術のために妻が入院することになり、元アルコール依存症の父親と2歳の娘ユリが数日間二人きりで過ごすことに。濃密な父と娘の関係を描いた本作は2012年に奨励賞を受賞した。残念ながら仕事で授賞式に来られなかった和島監督の代わりに主演の井俣太良さんが駆けつけ、「まさか1位をとれるとは思っていませんでした。ユリ役のはなりは僕の実の娘でもあるのですが、オファーをいただいたときは、ちょっとした思い出になればいいなぐらいの気持ちでした。でも監督と打ち合わせを重ねていくうちにだんだんドキュメンタリーのように撮っていこうということになり、こんな賞をいただけるような作品になって幸せです」と述べた。なお、和島監督は、現在、2012年に短編部門の審査員を務めた女優でプロデューサーの杉野希妃さんと共に、長編作品の製作に向けて動いているという。

 

 最後に瀧沢ディレクターより総評に加えて「映画祭の当初より続いてきた短編部門は、3年前に規定の尺を15~30分以内に縮めてから、よりレベルの高い作品が集まってきていると思うので、今後もさらに力を入れていきたい。また、ここをきっかけに短編から長編へとステップアップしていくラインを作っていければ」との激励も。来年以降の同部門に一層注目していきたい。

 

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