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【デイリーニュース】 vol.03 『アニメーション(後半)』 Q&A
CG、砂、食材ストップモーション……多彩なアニメ表現
『Poker』『Candle night』『女生徒』『2014年8月31日 日曜日 午前6時45分』『幕』『Twins in Bakery』『息ができない』
左から『息ができない』の木畠彩矢香監督、『Twins in Bakery』の宮澤真理監督、『2014年8月31日 日曜日 午前6時45分』の安藤愛莉監督、『女生徒』の塚原重義監督、『Candle night』の平川侑樹監督、『Poker』の水江未来監督
昨年から設けられたアニメーション部門の後半には、『Poker』『Candle night』『女生徒』『2014年8月31日 日曜日 午前6時45分』『Twins in Bakery』『息ができない』の7作品が上映され、6人の監督がQ&Aに登壇した。会場を埋めた観客からは「どうやって作ったのか?」などという驚きの声が多数聞かれた。
『Poker』は、変容する世界を小鳥が飛び回る、色彩鮮やかな作品。水江未来監督は、「ミュージシャンのトクマルシューゴさんとやりとりする中、既存の曲にアニメをつけてみることになりました。最初の“顔合わせ”のような作品で、今後はオリジナルも作っていきたい」。
『Candle night』は、プレゼントとして少女のもとにやってきたキャンドルの冒険を描くCGアニメーション。平川侑樹監督は、「実写で撮影し、CGと合成しています。後で合成しやすいように、実際に人形を置いています」。
『女生徒』は、太宰治の同名小説の朗読にのせて、ある少女の日常と幻影を描く。塚原重義監督は、「時代考証に苦労しました。昭和13年が小説の舞台らしいということで、当時の東京について調べました。1日の話なので、フィルターを使って、それぞれの時間帯を表現しています」。
『2014年8月31日 日曜日 午前6時45分』は、電子化が進み、紙による新聞の最後の配達が行われる2014年8月31日の風景を描く。安藤愛莉監督は「ありそうで、実際にはない、ギョッとするような8月31日を描いてみました。8月31日は夏休みの最後の日で、日常とは違う別世界。幼少期のイメージなども重ねています」。
『Twins in Bakery』は、動物の形で人気のパン店を舞台に、店主の留守中に食材たちが動き出すというストップモーション・アニメーション。製作に1年をかけたという力作。キャラ弁作家である宮澤真理監督は、「普段はお弁当やお子様ランチで物語の一場面を作っているのですが、自分の世界を動かしたいという思いから、作品を作りました。本物の食材を扱ったので、撮影や保存は大変でした。家族には来る日も来る日もソーセージを食べてもらいました」。
『息ができない』は、悪ふざけが原因で友達を溺死させてしまった少年が水の世界に取り残されるという物語。砂を使って描いた意欲作。木畠彩矢香監督は、「砂を使った作品はこれで2作目です。前作は明るい話だったので、今回は変えてみました。半分は私自身の体験も入っています」。
次回のアニメーション部門は、24日(金)10:30から映像ホールで上映される。『女生徒』の塚原監督、『2014年8月31日 日曜日 午前6時45分』の安藤監督らが再び登壇する予定だ。