映画祭について

SKIPシティ国際Dシネマ映画祭とは

SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2024バナー

“新たな才能を発掘し、育てる映画祭へ”

2004年に埼玉県川口市で誕生したSKIPシティ国際Dシネマ映画祭は、デジタルシネマにいち早くフォーカスした国際コンペティション映画祭として、映画産業の変革の中で新たに生み出されたビジネスチャンスを掴んでいく若い才能の発掘と育成を主軸に成長を重ねてきました。2024年、本映画祭は21回目の開催を迎えます。

本映画祭の中核である「コンペティション」は、国際コンペティションと国内コンペティションで構成されています。長編作品を対象とした国際コンペティションは広く世界中から、長編部門と短編部門の2部門で構成される国内コンペティションは国内から応募された若手監督の作品を厳選して上映します。今年は102の国と地域から、合計1,201本の応募がありました。

一次審査を経てノミネートされた作品は、国際コンペティション、国内コンペティションともに、著名な映画人で構成する審査会で最終審査を行い、最優秀作品賞をはじめとする各賞を授与します。また両コンペティションを通じた全ての国内作品を対象に、今後の長編映画制作に可能性を感じる監督に対し「SKIPシティアワード」を贈ります。

続々と羽ばたく新世代の才能

これまで本映画祭で上映された作品や監督の多くが、その後国内外で目覚ましい活躍を見せています。海外作品では、2007年に『うつろいの季節(とき)』で長編部門(国際コンペティション)最優秀作品賞を受賞したヌリ・ビルゲ・ジェイラン監督が『スリー・モンキーズ』(08)でカンヌ映画祭監督賞、『昔々、アナトリアで』(11)で同グランプリ、『雪の轍』(14)で同パルムドールと、3作連続での受賞を果たしました。

また本映画祭の上映を経て劇場公開された『シンプル・シモン』[2011年長編部門(国際コンペティション)審査員特別賞]や、『孤独のススメ』[2014年長編部門(国際コンペティション)最優秀作品賞/映画祭上映タイトル『約束のマッターホルン』]、『彼の見つめる先に』[2014年長編部門(国際コンペティション)脚本賞]、『家(うち)へ帰ろう』[2018年国際コンペティション観客賞/映画祭上映タイトル『ザ・ラスト・スーツ(仮題)』]、韓国の名優キム・ユンソクの初監督作『未成年』[2019年国際コンペティションノミネート]、『ミッドナイト・トラベラー』[2019年国際コンペティション審査員特別賞]、ドキュメンタリー作品の『リル・バック ストリートから世界へ』[2020年国際コンペティションノミネート/映画祭上映タイトル『リル・バック/メンフィスの白鳥(仮題)』]、『ルッツ 海に生きる』[2021年国際コンペティション最優秀作品賞/映画祭上映タイトル『ルッツ』]といった作品のスマッシュ・ヒットは大きな話題となりました。

国内作品では、『ロストパラダイス・イン・トーキョー』で2009年長編部門(国際コンペティション)SKIPシティアワードを受賞した白石和彌監督が『孤狼の血』(18)、『凪待ち』(19)、『死刑にいたる病』(22)をはじめ立て続けに話題作を手掛け、最新作『碁盤斬り』(24)も大きな反響を呼ぶなど、今や日本映画界のトップランナーへと飛躍しています。

そして、2012年長編部門(国際コンペティション)で監督賞・SKIPシティアワードをW受賞した『チチを撮りに』の中野量太監督は、商業映画デビュー作『湯を沸かすほどの熱い愛』(16)が日本アカデミー賞の2部門で最優秀賞を受賞し、最新作『浅田家!』(20)ではワルシャワ国際映画祭最優秀アジア映画賞を受賞、国内外で高く評価されています。2013年長編部門(国際コンペティション)審査員特別賞受賞『神奈川芸術大学映像学科研究室』の坂下雄一郎監督は、『東京ウィンドオーケストラ』(17)で商業デビューを果たし、2022年1月には『決戦は日曜日』が公開となりました。2009年の短編部門に『It's All in the Fingers』がノミネートされた石川慶監督も、『愚行録』(17)、『蜜蜂と遠雷』(19)、『Arc アーク』(21)、と立て続けに話題作を発表し、『ある男』(22)で第46回日本アカデミー賞 最優秀監督賞を受賞しました。

さらに2015年に『テイク8』で短編部門(国内コンペティション)奨励賞を受賞した上田慎一郎監督は『カメラを止めるな!』(17)で社会現象を巻き起こし、2018年の国内コンペティション(長編部門)優秀作品賞・観客賞をW受賞した『岬の兄妹』の片山慎三監督は、同作で第29回日本映画批評家大賞新人監督賞を受賞し、『さがす』(22)では第47回報知映画賞監督賞を受賞しました。また『あつい胸さわぎ』(22)のまつむらしんご監督(2013年『ロマンス・ロード』でSKIPシティアワード受賞)、『Winny』(23)の松本優作監督[2017年『Noise ノイズ』で長編部門(国際コンペティション)ノミネート]をはじめ、多数の新鋭監督が映画界を賑わしています。

ほかにも『王国(あるいはその家について)』(18)の草野なつか監督[2014年『螺旋銀河』で監督賞とSKIPシティアワード受賞]、『彼女はひとり』(18)の中川奈月監督[2018年同作でSKIPシティアワード受賞]、『泣く子はいねぇが』(20)の佐藤快磨監督[『歩けない僕らは』で2019年国内コンペティション短編部門観客賞]や『滑走路』(20)の大庭功睦監督[『キュクロプス』で2018年国内コンペティション長編部門ノミネート]、『カウンセラー』(21)の酒井善三監督[2021年同作でSKIPシティアワード受賞]、『鬼が笑う』(21)の三野龍一監督[2021年同作で国際コンペティションノミネート]、『夜を越える旅』の萱野孝幸監督[2021年同作で国内コンペティション長編部門優秀作品賞&観客賞受賞]など、今後の活躍が大いに期待される才能が本映画祭から輩出されています。

昨年(2023年)のコンペティション部門上映作品からは、串田壮史監督の『マイマザーズアイズ』(23)、武田かりん監督の『ブルーを笑えるその日まで』(23)、野口雄大監督の『さまよえ記憶』(23)、国内コンペティション短編部門観客賞を受賞した天野大地監督の『勝手に死ぬな』(23)、国内コンペティション長編部門優秀作品賞・SKIPシティアワードをW受賞した松本佳樹監督の『地球星人(エイリアン)は空想する』(23)などが劇場公開され、本映画祭を経て公開へ繋がる作品も続々と増えています。2020年の短編部門で『stay』(19)が優秀作品賞を受賞した藤田直哉監督による『瞼の転校生』(23)もオープニング上映を経て劇場公開され話題となり、ウーディネ・ファーイースト映画祭ではシルバー・マルベリー賞を受賞しました。

本映画祭は、“若手映像クリエイターの登竜門”として、映画界に新風を吹き込む新たな才能の輩出を目指すとともに、チャレンジ精神に溢れたクリエイターが世界に羽ばたいていくことを願っています。今年はどんな新星が現れるのか、ぜひご期待ください。

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