デイリーニュース
SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2011 受賞結果発表!
最優秀作品賞は『キニアルワンダ』(長編)と『記憶のひとしずく』(短編)
10月8日(土)から9日間に渡って開催された〈SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2011〉。最終日の16日(日)、クロージング・セレモニーにて短編コンペティション部門、長編コンペティション部門の各賞が発表された。トロフィーを受け取った受賞者たちは、晴れやかな表情で感想や感謝の言葉を述べた。
短編部門(国内コンペティション)
- 最優秀作品賞 『記憶のひとしずく』(畑中大輔監督)
畑中大輔監督
「この作品は、ひとつの素晴らしい小説との出会いから始まりました。小説の中には、家族の意味や映画への愛など、素敵な要素がたくさん盛り込まれていました。僕自身も祖母がアルツハイマーでしたので、その時の経験をいつか表現したいと思っていました。小説の素晴らしさと僕の思いがつまった作品が、このような賞を頂けたことを本当にありがたく思っています。今後もいい作品を作り続けてきたいと思います」(畑中監督)
田中智章監督
「本当はグランプリが欲しかったんですが(笑)、奨励していただいたのは凄く嬉しいです。この映画祭に参加して、世界の映画の豊かさ、日本の作品と比べて予算も技術も俳優のあり方も、信じられないくらいの壁を感じました。いただいた賞金で長編を撮って、またぜひこのコンペティションに戻ってきたいと思います」(田中監督)
小路紘史監督
「映画を作り出して6年経ちますが、初めていただいた賞なので一生心に残ると思います。映画祭では、Q&Aで初めて批判をされたんですが、それも凄く嬉しくて逆にやる気になりました。賛否両方いただけて、素晴らしい映画祭だと思います。この賞に恥じないようにこれからも頑張っていきます」(小路監督)
長編部門(国際コンペティション)
- 最優秀作品賞 『キニアルワンダ』(アルリック・ブラウン監督)
ダレン・ディーン氏
「監督のアルリック・ブラウンは、今日この場にいられないことをとても残念がっていると思います。この受賞は、今後の配給や活動にとって、とても意義のあることです。観客の皆さん、薄給で頑張ったスタッフ、キャストに感謝します。ルワンダのスタッフ、キャストなしにこの映画は作れませんでした。受賞は非常に嬉しいことですが、この映画の背景には、100万人が虐殺されたという事実があります。そのことを忘れずに、この賞をルワンダに捧げます」(プロデューサーのダレン・ディーン氏)
- 監督賞 ヴァンニャ・ダルカンタラ『荒野の彼方へ』
ヴァンニャ・ダルカンタラ監督
「素晴らしい1週間でした。日本にゲストとして招かれると、お姫様のような気分になれます(笑)。この1週間で友だちになった素晴らしい監督たちにも感謝します。日本の文化や映画を愛する私にとって、日本に来て皆さんに作品を見ていただいただけでも大変な賞品のようなものです。次回作は部分的に日本で撮影します。これからも、日本と長いお付き合いをしていきたいと思います。“ココロ”から感謝します」(ダルカンタラ監督)
- 脚本賞 アブネル・ベナイム『チャンス』(アブネル・ベナイム監督)
ベナイム監督の代理で受賞したパナマ共和国大使館 経済参事官 リッテル・ディアス氏
「ベナイム監督は先に帰国しなければなりませんでしたが、本当はこの場で“アリガトウゴザイマシタ”と言いたかったと思います。この受賞は監督やスタッフにとってはもちろん、パナマの国にとっても大変な栄誉です。パナマはボクシングや野球、音楽で有名ですが、これでやっと映画でも認められました」(ベナイム監督の代理で受賞したパナマ共和国大使館 経済参事官 リッテル・ディアス氏)
- 審査員特別賞 『シンプル・シモン』(アンドレアス・エーマン監督)
アンドレアス・エーマン監督
「スウェーデンのオスカーも逃したこの作品が、初めて賞を受賞して嬉しいです。いただいた賞金で次回作の撮り直しができるかも知れません(笑)。映画祭のおかげで日本に来ることができ、日本の文化にも触れることができました。素晴らしい機会を与えていただいて感謝しています。また、多くの映画祭ではコメディ作品は評価されません。アスペルガー症候群という重い題材をコメディにしたのは、多くの人に映画を見てもらい、病気のことを知ってほしかったからです。そういう意味でも、コメディに賞を与えて下さったことに感謝します」(エーマン監督)
- SKIPシティアワード 『DON’T STOP!』(小橋賢児監督)
小橋賢児監督
「僕は8歳から4年ほど前まで俳優の仕事をしていました。忙しい中で、自分の直感からそれて生きている時代もありました。30代を見据え、自分の可能性はほかにもあるんじゃないかと思い、旅をしたり外国に住んだりしている中で、映像を撮って編集することを覚えました。今回の旅は、直感で映画にしたいと思いました。その作品が賞を頂いて、本当に嬉しく思います。自分を含め、多くの人がいろいろなことを言い訳にして夢をストップさせてしまっています。でも、どんな夢でも思い描けば必ず叶うということをこの映画を通じて感じました。DON’T STOP!!です」(小橋監督)
また、本映画祭で上映された作品の全国劇場公開を支援する〈SKIPシティDシネマプロジェクト〉の対象作品に、『DON’T STOP!』が決定したことが発表された。
受賞一覧はこちら。