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7月15日(日)
『チチを撮りに』中野量太監督、柳英里紗さん、松原菜野花さん Q&A 
「役者同士の関係性って、映像に映ると思うんです」

(左から)中野量太監督、柳英里紗、松原菜野花


 長編コンペティション部門上映の日本映画のトップバッターは、『チチを撮りに』。離婚した親と子の関係や死など、シリアスになりがちな題材を扱いながら、笑って泣かせて最後にはびっくりもさせてくれる、元気の出る家族ドラマだ。


 高校生の呼春とフリーターの姉・葉月は、母と3人暮らし。幼い頃に家を出て行った父親の記憶はおぼろげにしかない。ある日、父が余命わずかなことを知らされた姉妹は、「お父ちゃんにお別れを言って、ついでにその顔をデジカメで撮ってきて」と母に無理やり送り出され、電車を乗り継いで父の病院に向かうが……。


 上映後に行われたQ&Aでは、中野量太監督と姉妹を演じた柳英里紗さん、松原菜野花さんが撮影の裏話などを楽しく語った。


 柳さんと松原さんは、最初の打ち合わせで中野監督に「これからお母さんに会いに行くから2人でお母さんに誕生日プレゼントを買って、プリクラを撮ってくること」というミッション(?)を出され、初対面だったにも関わらずその遂行過程ですぐに姉妹のように仲良くなったとか。


 「最初はなかなか仲良くなれないものですけど、2人で相談せざるを得ない状況を作って。2人を姉妹にしてから、今度はお母さんと家族にしたいと思って、母親役の渡辺真起子さんと皆で一緒に餃子を作って食べてもらった。そういうのって映像に映ると思うんです」と中野監督。


 柳さんは「これまでインする前に一緒に芝居をする人たちとそういうコミュニケーションをとったことがなかったので、面白かったです」。松原さんは「私はお姉ちゃんと仲良くなりすぎてしまって。泣くシーンの撮影では、その日だけ食事の時などもわざとひとりにされました」とエピソードを披露。


 家族それぞれの心理を、リアルな日常描写の中に細やかに描き出すこのドラマには、ラスト、あっと驚く仕掛けが待っている。


 中野監督は、「あのラストは、いろいろ解釈できると思うし、自分なりの正解もあるんですけど、見た人がそれぞれに解釈して感じていただければいいと思っています」。


 『チチを撮りに』は、18日(水)17:30から多目的ホールでも上映される。


◎デイリーダイジェスト映像はこちら

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