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7月16日(日) 
『Heart Beat』 浅沼直也監督 Q&A
「青春していいんだぞ、と若者たちに伝えたい」

  浅沼直也監督


 幼なじみの浩二と勇太は同じ高校のバスケットボール部に所属しているが、チームは連敗中、すっかりやる気も失せている。そんなある日、同じく幼なじみでマネージャーの佳代が家庭の事情で退部してしまう。彼女に密かに思いを寄せる2人は、今度こそ強豪校との試合に勝とうと練習に励み出す。長編コンペティション部門出品作『Heart Beat』は、バスケットボールに打ち込む若者たちの心情を鮮やかに描き出した熱い青春ドラマだ。


 「『スラムダンク』が凄く好き」という浅沼直也監督は、いつかバスケットボール映画を作りたいと思っていたと話す。


 バスケのシーンをリアルに描くため、出演陣は3カ月にわたる特訓を受けた。「練習はかなり頑張りました。レギュラーメンバーのうち2人はバスケの経験があったんですけど、斉藤慶太君やほかの人は未経験で。でも勘もいいし運動神経もいいし、すぐに上手くなりましたね」。その甲斐あって、ゲームのシーンはまさに圧巻。今回の映画祭上映のちょうど1年前にクランクインし、16日間で撮り上げた本作の撮影は、「とにかく暑かった」と浅沼監督は振り返る。


 「体育館には冷房もなくて、選手が走り回るから熱気が凄くて。バスケのシーンは凄くこだわりました。作中にゲートプレイというプレイが出てくるんですけど、ひとつのシュートのために皆が動く、それが作品のテーマにも合っているので、そこはできるだけ丁寧に撮りました」。


 石橋杏奈、いしのようこなど、キャスティングに関しては、「まさかこんなに素晴らしいキャストに出ていただけるとは思っていませんでした。脚本を読んで心が動いたと聞き、嬉しかったですね。いしのさんは衣裳やメイクなど、ご自分でアプローチしてくれて。石橋さんには撮影で500メートルくらい走ってもらいました」。


 もうひとり、映画には性同一性障害のみなみという印象的なキャラクターが登場する。「みなみ役の俳優は、本人自身も性同一性障害なんです。彼と出会い、凄く強く生きていると感じて、脚本を構築し直しました。強く生きて欲しいというのは、この作品で伝えたかったことでもあります。震災や家庭の事情で“青春”できていない10代、20代も多いと思うんですけど、自分のために生きていいんだぞ、青春していいんだぞ、と」。


 『Heart Beat』は、18日(水)10:30から映像ホールでも上映される。

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