7月21日(土)
カメラクレヨン
子どもたちと共に探る映像表現の可能性
多数の親子連れが来場し場内はほぼ満席となった。
21日(土)午後3時から多目的ホールで開催された「カメラクレヨン」は、“子どもたちと映画”にフォーカスした内容だ。ほぼ満席となった場内には多数の親子連れが訪れ、映像表現のさまざまな形を楽しんでいた。
プログラムは、海外アニメーションの上映からスタートした。ヒヨコ姉弟の日常を描いた『おしゃべり小鳥』(デンマーク)と鳩時計の“鳩”であるミスター・エドガーが本物の鳥のヒナを育てる『クック―!ミスター・エドガー』(カナダ)、森を愛する会計士が車好きの妖精に振り回される『会計士と妖精』(チェコ共和国)の3タイトルが上映された。
子ども向けとはいえ、『クックー!ミスター・エドガー』と『会計士と妖精』は、人生に対する示唆を含んだ内容が場内の大人をも魅了していた。なお、この3作の日本語吹き替えは「川口子ども映画クラブ」によるもの。SKIPシティ内のスタジオで収録が行なわれ、プロ顔負けの演技を披露していた。場内には参加した子ども声優たちも訪れ、声の演技の難しさや楽しさ、充実感などを笑顔で語っていた。
続くプログラムは、子どもたちが制作した川口市内の商店街コマーシャルとして、個性ある商店の魅力を伝えるアイデアが多数つまった作品群が上映された。ドラマ仕立てやモノローグ調など、作る楽しさにあふれた映像は「見事」のひとこと。地元愛をも同時に味わえる趣向として、非常に興味深い企画だといえるだろう。
夏休みの撮影に向けて作品テーマや意気込みを語る子ども監督たち。
最後は「川口子ども映画クラブ」の活動紹介。同クラブは「映画を作ろう! 思い出作ろう!」をキャッチフレーズに、映画製作の基礎から実際の制作までが体験できるワークショップだ。企画・演出(シナリオなど)、技術(カメラ・ライトなど)、プロデュース(プロデューサー・制作進行など)、俳優の4チームにわかれた本格的なものとなり、多数の子どもたちに映像制作の魅力を伝えている。
上映された活動紹介映像も、子どもたちの制作によるもの。また上映の最後には、夏休みに撮影が開始される3本の“制作発表”も行なわれ、子ども監督たちが挨拶を述べていた。いじめや自身の存在理由などをテーマにした作品が制作予定となっており、子どもたちの鋭い感性がこれらの深いテーマをいかに表現するのか、大いに期待されるところだ。今後とも、同クラブの活動に注目したい。