映画祭について
SKIPシティ国際Dシネマ映画祭とは
21世紀、映画のスタンダードDシネマ(デジタルシネマ)にフォーカスした映画祭
デジタルツールの普及によって、映像クリエイターの表現は年齢や経験、国境をも越え、新たな広がりを見せると同時に、さまざまなビジネスチャンスも生まれています。 SKIPシティ国際Dシネマ映画祭は、デジタルで撮影・制作された作品にフォーカスした国際コンペティション映画祭です。
世界中からエンターテインメント性とデジタルの新たな表現の可能性を感じる作品を公募し、次代を担うクリエイターを発掘することにより、新たな映像産業の発展に寄与することを目的に、2004年に誕生しました。そして本年、14回目の開催を迎えます。
若手映像クリエイターの登竜門
本映画祭のメインである「コンペティション」は、長編部門、短編部門、アニメーション部門の3部門で構成されています。長編部門は広く世界中から公募し、短編部門とアニメーション部門は、日本のクリエイター支援を目的として国内作品に限定しています。本年は85の国と地域から、合計810本の応募がありました。
審査員は、国内外の映画業界の第一線で活躍されている方々で構成されています。一次審査を経てノミネートされた作品は、映画祭期間中の上映・審査を経て、最終日に各賞を発表・授与します。
会期中には、審査員や作品関係者をはじめ世界各国からゲストが多数参加し、観客の皆様との交流も図っています。そのほか、本映画祭が中心となって製作したオープニング作品や、昨年話題を呼んだ日本映画やご家族で楽しんでいただける作品の上映、新たな映像技術として注目されるVR(バーチャルリアリティ)映像を実際に体験できる特別企画など、映画の魅力をご堪能いただけるプログラムでお届けします。
映画祭から羽ばたいた新たな才能
これまで本映画祭で上映された作品や監督の多くが、その後国内外で目覚ましい活躍を見せています。 海外作品では、2007年に『うつろいの季節(とき)』で長編部門最優秀作品賞を受賞したヌリ・ビルゲ・ジェイラン監督が『スリー・モンキーズ』(08)でカンヌ国際映画祭監督賞、『昔々、アナトリアで』(11)で同グランプリ、『雪の轍』(14)で同パルムドールと、3作連続での受賞を果たしました。また本映画祭の上映をきっかけに日本での劇場公開が実現した『シンプル・シモン』(2011年長編部門審査員特別賞)や、『孤独のススメ』(2014年長編部門最優秀作品賞/映画祭上映タイトル『約束のマッターホルン』)のスマッシュヒットも大きな話題を呼びました。
国内では、『ロストパラダイス・イン・トーキョー』で2009年長編部門SKIPシティアワードを受賞し、最新作『日本で一番悪い奴ら』(16)が高い評価を受けた白石和彌監督をはじめ、2012年長編部門監督賞・SKIPシティアワードを受賞した『チチを撮りに』の中野量太監督が、『湯を沸かすほどの熱い愛』(16)で新藤兼人賞・金賞受賞、第40回日本アカデミー賞で最優秀主演女優賞を含む優秀賞6部門受賞など映画賞を席巻し、2013年長編部門審査員特別賞受賞『神奈川芸術大学映像学科研究室』の坂下雄一郎監督が松竹ブロードキャスティングオリジナル映画プロジェクトに抜擢され『東京ウィンドオーケストラ』(16)で商業映画デビューを果たすなど、今後の活躍が期待される新鋭監督が本映画祭を契機に続々とチャンスを掴んでいきました。
本年は、「飛翔する監督たち」と題して、この3監督を含む過去に本映画祭で受賞・ノミネートを経験し、その後、昨年から今年にかけて商業映画や海外の映画祭で注目された6人の監督たちの特集上映も行います。
本年も、まだ知られていない新たな才能の発掘・育成に注力するとともに、チャレンジ精神に溢れた新たな才能が世界に羽ばたいていくことを願っています。