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【デイリーニュース】 vol.01 第15回SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2018開幕!
川口市民とともに作りあげたマラソン題材の映画『君がまた走り出すとき』でスタートダッシュ!
オープニング・セレモニーに登壇した国際コンペティション、国内コンペティションの各コンペ部門の監督と審査員
デジタルシネマにフォーカスし、映画産業の発展と新たなクリエイターの輩出・育成を目的として2004年に始まったSKIPシティ国際Dシネマ映画祭。15回の節目を迎えた今年は7月13日(金)に開幕し、映像ホールでオープニング・セレモニーとオープニング作品『君がまた走り出すとき』の上映が行われた。
今回は世界98の国と地域から計832作品の応募があり、映画祭ではその中から厳選された国際コンペティション部門10本、国内コンペティション長編部門4本、同短編部門9本のノミネート作品が上映される。
オープニング・セレモニーでは、まず映画祭実行委員会会長の上田清司・埼玉県知事が挨拶。 「ここ数年、若手映像クリエイターの育成、登竜門として川口市と埼玉県が取り組んできた本映画祭。これまで『孤狼の血』の白石和彌監督、『湯を沸かすほどの熱い愛』の中野量太監督、『ピンカートンに会いにいく』の坂下雄一郎監督、『愚行録』の石川慶監督と、多くのクリエイターを日本、そして世界に送り出してきました。
15周年のオープニング作品は、川口を舞台にした『君がまた走り出すとき』。日本人男性で初めて世界6大マラソンを走破した川口市在住の古市武さんの生き方に触発され、走ることを通して人生と向き合おうとする人々を描いた群像劇です。監督は、本映画祭の短編部門で2回ノミネートの実績を持ち、現在はテレビ東京の「ガイアの夜明け」などの演出を担当する中泉裕矢監督にお願いしました。
SKIPシティ国際Dシネマ映画祭がこのような形で発展してこられたのも、映像ボランティアの皆様を始め、支援をしてくださった皆様のおかげです。重ねて御礼申し上げ、これからも益々発展させていきますよと強調して、挨拶に代えたいと思います」
続く、映画祭実行委員会副会長の奥ノ木信夫・川口市長は、「大勢の皆様にご参集いただいた、本日、第15回を数えるSKIPシティ国際Dシネマ映画祭。多くの国からクオリティの高い作品が集まりました。開催期間も、ふだんは9日間のところ、10日間。記念の企画も盛大に盛り上げていきます。
川口を舞台にしたオープニング作品『君がまた走り出すとき』は、川口市としてバックアップした作品。私もマラソン大会のスターターとして、少しだけ出演しています(笑)。その役については、八木総合プロデューサーから、人生の再スタートを後押しする役割なんだと言ってもらいました。川口市の各所で撮影しているので、市民の皆様はもちろん、多くの皆様にご覧いただきたいと思っています。
今年は、以前よりお約束していたようにSR鳩ヶ谷駅から土日祝日、無料バスの便を出すことができました。拡幅した道路が開通し、都内からもより来ていただきやすくなりました。
映画映像関連産業の振興と映像文化発展のため、多くの方に特段の支援をいただきましたことに感謝して、挨拶に代えさせていただきます」と、インフラの整備が整い、さらに足を運びやすくなったことを強調して報告した。
八木信忠・映画祭総合プロデューサーは「皆様のご支援をもち、15回まできました。映像発展の柱として掲げてきた若手監督の育成。『君がまた走り出すとき』はその取り組みの一環です。また今年は15周年特別企画として、『名匠たちの軌跡』、『飛翔する監督たち from SAITAMA』など、ぜひ足を運んでいただきたいプログラムを用意しております。よろしくご支援ください」と呼びかけた。
最後に土川勉・映画祭ディレクターが、コンペティション部門の全ノミネート作品とゲスト、審査員を紹介し、映画祭のマスコットキャラクター、デジたるくんとともに皆さんが登壇。会場の拍手を受けながら、華やかに映画祭をスタートさせた。
主演は寛 一 郎。川口市民を題材にした新作映画『君がまた走り出すとき』が幕開けを飾る
『君がまた走り出すとき』の監督・キャスト陣が並ぶ。
オープニング・セレモニーに続き、オープニング作品の上映。映画『君がまた走り出すとき』の上映に先駆け、監督とキャストが登壇した。
まず主演の寛一郎は、「自分の人生と向き合えない方って多いんじゃないかと思いますが、僕の演じる翔太は向き合うというより逃げている。僕自身もそういう部分ありますが、この役を通して向き合っていかなきゃいけないなと思いました」
ひょんなことから翔太が逃げ込み、住み込む家の老婦人・多笑を演じる松原智恵子は、役柄を思わせるおっとりした口調で、「山村多笑という、ちょっと現実離れした役なんです。寛 一 郎君や孫役の山下リオさんに囲まれ、大家をしているアパートの住民に助けられながら、ちゃんと生活できるようになるとてもいい役なんです。撮影では毎日楽しく過ごさせていただきました。寛 一 郎君なんて、私が台詞を忘れると教えてくれる優しい子なんですよ(笑)」と語り、和気あいあいとした撮影だったことを伝えた。
孫役の山下リオは、「5月下旬に約2週間、撮影を行いました。まだ2カ月も経っていないのに、とても昔のことのように感じますが、本当に楽しくて充実していたんだと思います。特別な役作りをすることなく、等身大で演じさせていただきました」と語った。
マラソン大会のシーンを撮影した日は、じっとしていられないほど寒かったのだそう。そんななか、寒さに耐えながら陽が落ちるまで撮影に臨んだエキストラの市民ランナーらを、多笑のアパートの住人のひとりを演じる長谷川初範は絶賛。中泉監督から、「まだ格好よすぎです」と注意されつつ、初めて臨んだヘタレ男の演技を川口市民のエキストラとともに楽しんだよう。
中泉裕矢監督は、「本作は、たくさんの人に楽しんでほしいと思って作った作品。聞けば出演者の方々も撮影を楽しんでくださったようですし、それは必ず作品にも表れると思います。ぜひ構えることなく楽しんでいただければ」と結んだ。
『君がまた走り出すとき』は、7月14日(土)にも21時よりMOVIX川口(埼玉県川口市並木元町1-79 アリオ川口3F)で上映される。
SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2018は、7月22日(日)まで10日間にわたって開催され、各コンペティション部門の受賞結果は最終日に発表される。
コンペティション以外にも、埼玉県出身の監督たちの作品を集めた特集上映「飛翔する監督たち from SAITAMA」、『A.K. ドキュメント黒澤明』、是枝裕和監督が1993年に撮った『映画が時代を映す時ー侯孝賢とエドワード・ヤン』、『ドキュメンタリー:映画監督ミヒャエル・ハネケ』を特集上映する「名匠たちの軌跡」、VR(バーチャルリアリティ)上映と関連セミナー「特撮とVRの融合 -今後VRのキラーコンテンツとなり得るか-」(ゲスト:押井守監督、田口清隆監督)、「VR映画の未来 -映画としてVRは生き残れるか?-」(ゲスト:上田慎一郎監督、田口清隆監督)、「怪盗グルーシリーズ一挙上映」、バリアフリー上映『8年越しの花嫁 奇跡の実話』など、15周年を記念するバラエティ豊かなラインナップが楽しめる。映像の可能性を、作品と技術から、今年も思う存分に楽しんでいただきたい!