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【デイリーニュース】vol.13 関連企画『とってもゴースト』角川裕明監督と出演者 舞台挨拶

思わずステップ踏んじゃうかも!「ミュージカル映画を広めたい」角川監督の思い

(左から)『とってもゴースト』の永山たかしさん安蘭けいさん、古舘佑太郎さん角川裕明監督

 

川口駅前キュポ・ラにあるメディアセブンでの「埼玉関連映画上映」2本目の『とってもゴースト』は、ミュージカル劇団「音楽座」の同名ミュージカルを原作に、俳優としても活躍する角川裕明監督が映画化したミュージカル・ラブストーリーだ。

 

世界的に注目されるファッションデザイナーのユキは、新作コレクション前日に事故で亡くなってしまう。だが本人には死んだ自覚がなく、迎えに来たあの世へのガイドから逃げ回るなかで、靴デザイナーを目指す青年、光司と出会い、思いがけない恋がはじまる。

 

初の一般上映となる会場は、満員御礼。「こんなに満席にしていただいて、本当にありがとうございます」と角川監督は感激を隠せない。監督とヒロインのユキを演じた安蘭けい、光司役の古舘佑太郎、ガイド役の永山たかしが登壇して舞台挨拶がはじまった。

 

現場での思い出を聞かれた安蘭けいは、「寒かったですよー、本当に(笑)。真冬の寒い中、コートも羽織れない役でしたので、カイロを貼りまくって撮影してました」。永山も「息白かったですもんね(笑)。撮影の後は、使い捨てカイロが山になっていました(笑)。雪も降ってきちゃいましたしね」と証言。

 

角川監督は「真冬の夜中の野外撮影。カップラーメンができる前に凍っちゃうという環境で、かなりの薄着で撮影していました。本当に感謝しかないですね」としみじみ。過酷な現場を思い出しつつ、それを乗り越えた仲間同士の連帯感か、和気あいあい、笑い声が絶えない。

 

宝塚のトップスターだった安蘭けい、ミュージカル舞台「テニスの王子様」などにも出演する永山たかしにとってはミュージカルはお手の物だが、歌手としての活動が主である古舘佑太郎にとっては、本作への出演は大きなチャレンジだったようだ。

「今回、一カ所だけですが、初めてダンスを踊りました。しかも、みんなで合わせて踊るのは、その日その時が初めてだったので、もう半端なく緊張しました」

 

この上映に先立ち、初めて全編を通して観たという古舘は、そのシーンが近づくにつれて、観ていられないほど緊張したのだそう。永山が「そこを注目して観てやってくださいね(笑)」と言えば、角川監督も「ダンスバトルしてますからね(笑)」といじる。古館がぽつりともらした「ダンスは、深いなと思いました」が、実感を持って伝わって来た。

 

日本製のオリジナルミュージカル映画にこだわる角川監督が、2012年にSKIPシティ国際Dシネマ映画祭短編部門最優秀作品賞を受賞した『ユメのおと』もミュージカル映画だ。

「今年の夏は矢口史靖監督のミュージカル映画『ダンスウィズミー』も公開されます。『とってもゴースト』と同時期に複数の日本製ミュージカル映画が公開されるのは嬉しいです。ミュージカルというと海外作品で、日本にはまだまだミュージカル文化は根付いていません。日本にもオリジナルのミュージカルがないわけじゃない。今回、原作をお借りした音楽座さんも、ずっとオリジナルのミュージカルを作り続けている劇団。映画ではまだ浸透していないので、日本人でも受け入れられるミュージカルを作り続け、ミュージカルって楽しいよ、元気が出るよと思ってもらえたら嬉しいです」

角川監督の心意気に賛同して集まったキャストたちも、「監督のミュージカルへの思いを知っていたので、力になれたらと出演を決めました。この作品が、ミュージカル映画が日本に広がっていく第一歩になったら嬉しいです」と安蘭が言えば、永山も「ミュージカルを観ると、日常が変わるんですよ。エレベーターに乗る時、思わずステップを踏んじゃうかもしれません(笑)」と後押し。古館も「ミュージカルのことをほとんど知らなかった自分だからこそ、音楽とミュージカルの橋渡しができるといいなと思っています」とコメントし、監督に力強いエールを送った。