【デイリーニュース】 7月21日(日)
vol.32 SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2013コンペティション部門受賞結果決定!
記念すべき開催10年目の最優秀作品賞は『チャイカ』
7月12日(金)から10日間に渡って開催されたSKIPシティ国際Dシネマ映画祭2013。今年は80の国と地域から661本の作品がエントリー、その中から長編12本、短編12本が上映された。会期中には、映画祭新記録となるのべ1万人を超える観客が来場。そして最終日の21日(日)、長編・短編コンペティション部門各賞の受賞結果が発表された。長編最優秀作品賞に選ばれたのは、ロシア、グルジアで過酷な運命を生きる男女を描いたミゲル・アンヘル・ヒメネス監督の『チャイカ』。受賞者の皆さんは、ステージ上で映画祭マスコットのデジたる君をハグするなど、喜びを爆発させていた。
■長編コンペティション
最優秀作品賞『チャイカ』 ミゲル・アンヘル・ヒメネス監督
「とても幸せです。審査員の方々と観客の皆さんに感謝します。とても驚きました。私が言いたいことは、グルジア語で“ディディマドロバ”、ロシア語で“スパシーバ”、スペイン語で“ムチャス・グラシアス”、そして“ありがとう”です」
監督賞『フロントライン・ミッション』 ヤリブ・ホロヴィッツ監督
「この映画祭に来られたことは素晴らしい体験でした。日本の人々は映画を愛していて、とても文化的です。まず作品に出演してくれた俳優、スタッフ、共に仕事をしてくれたイスラエル人、パレスチナ人に感謝します。芸術を増やし、戦争を減らす道が見つかることを願うと共に、一緒に戦争に行った仲間たちにこの賞を捧げます。昨日新聞で、イスラエルとパレスチナの間で平和交渉が行われていることを読みました。それも非常に嬉しく思っています」
脚本賞 『セブン・ボックス』 フアン・カルロス・マネグリア監督(&脚本)
「私だけでなく、一緒にこの作品を作った仲間たちと喜べる賞をいただいてありがとうございます。日本に来たこと自体が奇跡のようです。パラグアイではあまり映画が作られていないにもかかわらず、このような賞をいただけて嬉しいです。一緒に日本に来てくれたパラグアイの皆さんと母に、この賞を捧げます」
審査員特別賞『神奈川芸術大学映像学科研究室』 坂下雄一郎監督
「個人的なことを言うと、最初の上映の時に母親が地元広島から来ていまして。僕は今20代後半で、フラフラと映画みたいなものにかかわろうとしているんですが、そのことに反対もせず、むしろ応援してもらっているので、これでちょっと親孝行できたかなと思っています」
SKIPシティアワード『ロマンス・ロード』 まつむらしんご監督
「会期中、他の長短編コンペティション作品をだいぶ拝見させていただいたんですが、どの作品も非常にクオリティが高くて、自分はもっと頑張らなければいけないと反省する毎日でした。この賞は現時点での私の能力を褒めていただいたものではなく、今後もっと頑張れと叱咤していただいた賞だと思います。今後もっと面白い映画を作れるようになって、この映画祭に帰ってきたいと思います」
■短編コンペティション
最優秀作品賞『転校生』 金井純一監督
「4年前に『求愛』という作品でもノミネートされたんですが、今回は賞をいただけて嬉しいです。この短編を撮ろうとした時に、震災のことは避けて通れないと思いました。小さな出会いと別れが、震災の時にいろいろな学校であったのかなと。女優2人がいい演技をしてくれて、たまたまだったんですが『風の又三郎』のような風が吹いて良い画が撮れて、恵まれた映画になりました。今後は11月に商業作品の『ゆるせない、逢いたい』という作品が渋谷と新宿で公開になります。それが大事なスタートになると思いますので、この賞をきっかけにして映画界に根強く残っていけたらと思います」
奨励賞『日の射すほうへ』 内田進康監督
「映画を撮りたいと思ってからちょうど10年が経ちます。奇しくも、2003年に映画を撮りたくてSKIPシティのインキュベートのドアをたたきました。その時はいっぱいで入れなかったんですが、その頃からSKIPシティでいつか映画を撮りたいと思っていました。10年経ってひとつのくぎりがつけて非常に嬉しいです。今回は短編でしたが、いずれ長編にチャレンジして、撮り続けていきます。私はまぎれもなくSKIPシティ出身の監督ですので、これからも応援よろしくお願いします」
奨励賞『もはや ないもの』 三宅伸行監督
「ちょっとわかりにくい映画で、賞はいただけないと思っていたので本当に嬉しいです。SKIPシティに作品を出すのはこれが3回目で、これまで2回は入選もしなかったので、映画祭に参加できたことも嬉しいです。今日は会場にずっと一緒に映画を作り続けている仲間がいるんですが、映画って監督だけで作るものではないと思っています。その仲間と一緒に次は短編でなく長編を作る準備はできていますし、サポートしていただきながら、次のチャンスを掴んでいきたいと思います」