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【デイリーニュース】 vol.01 第14回SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2017開幕!
ここ川口から世界に羽ばたく才能を!
オープニング・セレモニーに登壇した長編、短編、アニメーションの各コンペ部門の監督と審査員
デジタルシネマにフォーカスし、映画産業の発展と新たなクリエイターの輩出・育成を目的として2004年に始まったSKIPシティ国際Dシネマ映画祭。14回目を迎える今年は7月15日(土)に開幕し、映像ホールでオープニング・セレモニーとオープニング作品『ANIMAを撃て!』の上映が行われた。
今回は世界85の国と地域から計810作品の応募があり、映画祭ではその中から厳選された長編部門(国際コンペティション)12本、短編部門(国内コンペティション)12本、アニメーション部門(国内コンペティション)10本のノミネート作品が上映される。
オープニング・セレモニーでは、まず映画祭実行委員会会長の上田清司・埼玉県知事が挨拶。 「ここ川口から若手クリエイターが日本、そして世界に羽ばたいてきました。特に昨年は『湯を沸かすほどの熱い愛』の中野量太監督をはじめ、本映画祭出身者が目ざましい活躍を見せました。映像クリエイターを育成するという本映画祭の当初の目的を確実に果たしていることを実感しています」
映画祭実行委員副会長の奥ノ木信夫・川口市長は、「市ではこれまで、短編部門に川口市民賞の授与を行ってきましたが、今回からコンペティションの各部門に観客の投票で決まる『観客賞』を新設しました。この賞は映画祭の魅力をさらに高めると思います」と、映画祭がこれまで以上に観客参加型になることを発表した。
八木信忠・映画祭総合プロデューサーは「SKIPシティがあるこの場所は、戦前に放送用アンテナ(東京タワーができるまで日本一の高さを誇ったNHK川口第一ラジオ放送所鉄塔)が設置され、日本の情報発信基地でした。アンテナのない今は、映像産業の発信基地となっています。そしてかつては映画会社が行っていた若手映像作家育成の一端を、本映画祭が担おうとしています。ここ数年は、若手に撮ってもらった作品をオープニング上映にかけて評価を問い、ここから彼らが世界に羽ばたくことを願っています。よろしくご支援ください」と呼びかけた。
最後に土川勉・映画祭ディレクターがコンペティション部門の全ノミネート作品とゲスト、審査員の皆さんを紹介。全員がステージに上がって華やかに今年の映画祭がスタートした。
昨年長編部門にノミネートされた堀江貴大監督のオープニング作品『ANIMAを撃て!』
登壇した『ANIMAを撃て!』の監督・堀江貴大(左)と出演者の服部彩加(中央)、小柳友(右)
セレモニーに続いて、オープニング作品『ANIMAを撃て!』の上映が行われた。「若手の撮った作品をオープニングに」という八木プロデューサーの言葉通り、これは昨年本映画祭長編部門にノミネートされ、その後全国で劇場公開された『いたくても いたくても』の堀江貴大監督による作品。クラシックバレエ団に所属しているものの自分が本当に表現したいものを見つけられないでいるダンサー・果穂(服部彩加)と、そんな彼女のダンスとドラムでセッションすることになる元ドラマーの青年・伊藤(小柳友)との恋愛模様と成長が描かれる青春映画だ。
上映に先立ち、堀江監督と主演の服部彩加、小柳友が舞台挨拶を行った。
前作『いたくても いたくても』ではプロレスを題材にした堀江監督は、「プロレスもダンスもそうですが、身体でドラマや感情を表現することに興味があります。コンテンポラリーダンスはダンスの中でも懐が広くてなんでもありなので、ダンスと音楽を組み合わせたいなと。今日はこの作品を初めてお客さんに見ていただくので緊張しています」。
3歳からクラシックバレエを始め、ダンス経験は長いもののこれまで演技経験はなかったという服部は、「監督と振り付けの北川さんと一緒に行ったダンスの特訓では、徹底的に本気の取っ組み合いをしました。監督は足の小指の骨にひびが入ったくらい(笑)。2カ月間毎日練習して、魂を込めて踊りました」。
プロのドラマーとしてのキャリアも持つ小柳が、「役柄の設定と同じく昔ドラムをやっていたので、特に練習はしませんでした」と話すと、すかさず堀江監督から「うそです」と突っ込みが。「そうですね、こそこそ練習する『こそ練』はしていました(笑)。脚本にも少し参加させていただいて、等身大に近い役柄でしたし、特に苦労はありませんでしたが、ドラムに改めて向き合って、考えるものがあったので、それが映像にのっていれば嬉しいです」。
SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2017は、7月23日(日)まで9日間にわたって開催され、各コンペティション部門の受賞結果は最終日に発表される。
コンペティション以外にも、長編アニメーション上映やバリアフリー上映、本映画祭出身の監督たちによる作品を集めた特集上映「飛翔する監督たち」、VR(バーチャルリアリティ)映像作品を上映する特別企画「Dシネマー新たなる潮流」など、今年もバラエティ豊かなラインナップが楽しめる。こちらも乞ご期待!