SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2017

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【デイリーニュース】 vol.21 『三尺魂』 加藤悦生監督、村上穗乃佳、辻しのぶ、伊藤和哉 Q&A

時間をループするワンシチュエーションドラマのたどり着く先は?

マ『三尺魂』の加藤悦生監督、村上穂乃佳、辻しのぶ、伊藤和哉

左から『三尺魂』の加藤悦生監督、村上穂乃佳、辻しのぶ、伊藤和哉

 

映画祭も中盤。5日目の朝、最初の長編コンペティション部門は、日本映画『三尺魂』。三尺玉といえば花火。この大きな打ち上げ花火を使う集団自殺の呼びかけに4人の男女が集まった。だが何度、爆発させても気づくと皆が集まる時間に戻っている。自殺希望者のひとりが女子高生で未成年であることが妨げになっているのではないか? そう考えた3人は、彼女に自殺をやめるよう説得する。

 

Q&Aには、加藤悦生監督、女子高生・希子役の村上穂乃佳さん、ふみ役の辻しのぶさん、夢人役の伊藤和哉さんが登壇。タイムループものの複雑な構成のシナリオと、それを演じる難しさについて語った。

 

司会者から「ワールド・プレミアですね」とお祝いの言葉を投げかけられた加藤監督は、「『スター・ウォーズ』じゃないんでそんな仰々しいものではないんですが(笑)」と前置きしつつ、「3年前、この映画祭の長編部門に『PLASTIC CRIME』をノミネートしていただきました。当時、選ばれなかったら、もう映画作るのやめちゃおうと思っていたんです。で、今回もう一度、SKIPシティ国際Dシネマ映画祭に挑戦しようと、昨年撮って、2月末の応募締切に間に合わせました。もし、ノミネートされていなかったら適当な映画祭でそのワールド・プレミアを迎えていたと思います。でも今日、皆さまに映画を見ていただき、この時間を共有することができました。本当にうれしく思っています」と本映画祭への並々ならぬ思いを語ってくれた。

 

物語は三尺玉を格納する物置のような小屋で展開する。ワンシチュエーションでの展開は舞台を思わせる。果たして客席からも演劇を意識したのか? という質問が出た。

 

「ワンシチュエーションにしたのは予算がないからなんですが、それはお客様には関係ないので、それを逆手に最大限セリフ回しで面白くしようと考えました」と監督。CMやテレビなどの演出を手掛ける加藤監督は、必要なものを状況に応じ撮り切るコツを心得ている。それを行いつつも、考えが向かう先は観客のこと。限られた状況の中でどうすれば観客を楽しませるかと常に考えているようだ。

 

タイムループものにしたのもそのためだという。「どんなに芝居がうまくても、ワンシチュエーションでは飽きると思ったので、台本を書くときに、20分(20枚)までに1回死ぬ、40分(40枚)までに2回くらい死ぬというように設定しました。辻褄は後から合わせていく感じです。面白くするためのタイムループなんです」

 

詳しくは書けないが、タイムループは何回も行われる。そして毎回少しずつ状況が変わる。同じ背景の中で、微妙に変わっていく心理状態を演じる俳優は大変だったはず。希子役のオーディションはその違いを演じ分けるテストだったという。「オーディションの内容は、1回目と8回目のループを演じるというものでした。だから中途半端に読んで行ったら、(理解不十分なのが)ばれるぞとめちゃくちゃ読み込んだのを覚えてます。津田さん、辻さん、木ノ本嶺浩さん、フルキャスト揃った贅沢なオーディションでした」と村上さん。

 

もともと監督が、ふみ役にあて書きしたという辻さんも、「何回も爆発を経験して、毎回その感覚を覚えているというリアリティをどこまで出せるのか心配でした。でも不安ながらもワクワクしつつお芝居させてもらいました」と難しさを述懐する。

 

4人のお芝居については津田寛治さんの申し出もあり、撮影に入る前に入念にリハーサルを行ったのだそう。そして「このリハーサルがあったので、撮影はとてもスムーズにできました」と村上さん。

 

ひとりタイムループに絡まない登壇者である伊藤和哉さんは、「テーマは重いのに、笑えるし、いったいどうなるんだろうと引き込まれながら、台本を読ませていただきました。自分の役としては、希子の“生きる希望”みたいな役なので、それがこんな奴じゃ……と思われないよう演じました」と少し悔しそうに話す。伊藤さんは、加藤監督の前作『PLASTIC CRIME』の主演。今回の役名も、前回と同じ小泉夢人なのだそう。「人となりは全然違いますけど(笑)。撮影4日目に撮影現場を訪ねたんですが、4人で話し合いながら、空気みたいなものを作りあげていて。それは僕がいる間にもどんどん変わっていって、いい雰囲気だなと思いました」

 

ちなみにタイムループといえば、ビル・マーレイ主演の『恋はデ・ジャブ』。意識をしたか? という質問も。「映画好きなんで見ています。『恋はデ・ジャブ』とか、『ミッション:8ミニッツ』とか。でも台本に落とし込むときにはまったく思い出しもしませんでした。今回、見直したらやっぱり面白いなと思いましたけどね」と監督。

 

ワンシチュエーションながらぐいぐい引き込まれる『三尺魂』の次回上映は、7月22日(土)14時30分から多目的ホールで行われ、Q&Aにも皆さん再登壇する予定。

 


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