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SKIPシティ国際Dシネマ映画祭コンペティション部門受賞結果発表
最優秀作品賞はウムト・ダー監督の『二番目の妻』

 7月14日(土)から9日間にわたって開催されたSKIPシティ国際Dシネマ映画祭2012。コンペティション部門では、84の国と地域から集まった730作品から国内外の長編作品12本、国内の短編作品15本が上映され、最終日の22日(日)、各賞の受賞結果が発表された。


 短編コンペティション部門審査委員長・桝井省司氏、長編部門コンペティション審査委員長・河井信也氏の両氏とも「非常に水準が高かった」と評した今年のコンペ出品作。その中での受賞ということもあって、受賞者の喜びもひとしおだったようだ。


短編コンペティション

■最優秀作品賞 『ユメのおと』角川裕明監督

角川裕明監督


 「自分自身も役者としてミュージカルに携わっていますが、日本になぜミュージカル映画がないのかというところからスタートしてこの作品を作りました。僕の思いについてきてくれたキャストとスタッフの力が、この受賞につながったと思います。これを機会に“ミュージカル・オブ・ジャパン”という団体を立ち上げました。これからも日本人に合ったミュージカルを作って、ミュージカル映画を浸透させたいと思います」(角川裕明監督)


■奨励賞 『小さなユリと 第一章・夕方の三十分』和島香太郎監督/ 『トゥルボウ』多田昌平監督


和島香太郎監督


  「この作品は黒田三郎の詩集『小さなユリと』を原作にしています。実際の親子を主人公にして、半分ドキュメンタリー・タッチで撮りました。タイトルが示しているようにこの映画は第一章ですが、続く第二章は長編の予定です。今度またパワーアップした『小さなユリと』を見ていただけるよう、海外の作品とも競えるものにしたいと思います」(和島香太郎監督)


多田昌平監督


 「かなり好き嫌いが分かれる作品だと作る前から思っていましたが、面白がってくれる人は面白がってくれると信じ、それを貫いて、今回このような大きな賞をいただけたことを感激しております。賞をいただけたということは、認めていただけたのかなと思い、これからも自分を信じて作品作りを続けていきたいと思います」(多田昌平監督)


長編コンペティション

■最優秀作品賞 『二番目の妻』 ウムト・ダー監督


ウムト・ダー監督


 「こんなに素晴らしい作品やフィルムメイカーに囲まれて、この映画祭に招いていただけただけでも光栄なのに、まさか自分の作品が賞を獲るなんて思ってもいませんでした。このような大きな賞をいただいて、何と言っていいかわかりません。審査委員の方々や自分に監督の機会を与えてくれたプロデューサーに感謝します。複雑な問題を扱った映画なので、違う文化の中で受け入れてもらうのは難しいと思っていましたが、、日本の人々に理解してもらえただけでなく、評価していただけたことを非常に光栄に思います」(ウムト・ダー監督)


■監督賞&SKIPシティアワード 中野量太『チチを撮りに


中野量太監督


 「僕自身、母子家庭で育ったので、“家族とは何か”という問いへの自分なりの答えを探して映画を撮っているのかなと最近思います。人間が生きるということは、悲しみも笑いもあって、そういう作品を撮りたかったんですが、会場の皆さんが笑ったり涙してくれたり、反応が凄く良くて嬉しかった。映画は撮れば撮るほど難しくて、まだ映画が全然わかりません。でも僕なりに映画を求めて、次の作品を撮っていきたいと思います」(中野量太監督)


■脚本賞 マルヒン・ロハール、タイス・ファン・マーレ『旅の始まり


タイス・ファン・マーレ氏


 「この脚本は監督のマルヒン・ロハールと共同で作り上げました。彼女は現在妊娠9カ月で来日できませんでしたが、もし賞を獲って、生まれてくる子どもが男の子だったら、SKIPと名づけようと約束しています(笑)。彼女とは12年ほど、自分たちの家族を題材にしたパーソナル作品を作り続けています。私たちの映画が、日本の観客のみなさんとフィーリングを共有できたことを嬉しく思います。オランダの普通の人の小さな物語が世界中の人の心に届くというのは、本当に素晴らしいことだと思います」(脚本家のタイス・ファン・マーレ氏)


■審査員特別賞 『ノノ』 ロメル・トレンティーノ監督


ロメル・トレンティーノ監督


 「この映画は、特に3つの国で上映したいと思っていました。フィリピン、出資してくれた韓国、そして物語にも関係する日本です。ですから今回この映画祭で上映できたことを本当に嬉しく思います。こんなに歓迎してもらい、こんなに他のフィルムメイカーたちと交流できた映画祭は初めてです。この受賞をきっかけに、世界のもっと多くの人に見てもらいたい。また、子供たちに見て貰える映画を作りたいという気持ちを強くしました」(ロメル・トレンティーノ監督)

映画祭2012ガイドPDFダウンロード

 

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