10周年特別企画
今年のSKIPシティ国際Dシネマ映画祭は、10回目の開催を迎えるにあたり、様々な特別企画をご用意しました。ロッテルダム国際映画祭の全貌に触れる「ロッテルダムDAY」、過去にコンペティション部門に出品された人気監督たちの新作をまとめて上映する「過去ノミネート監督新作上映」、過去3年の短編作品の中からオンライン投票で選ばれる傑作短編上映「あなたが選ぶベスト3」など、刺激的な作品の数々をお楽しみいただけます。
・ロッテルダムDAY上映作品/トークイベント
・過去ノミネート監督新作上映
・傑作短編WEB投票「あなたが選ぶベスト3」上映
ロッテルダムDAY <「ロッテルダム国際映画祭」特集上映 >
若手映像クリエイターの登竜門といわれるオランダのロッテルダム国際映画祭を、一日で紹介する贅沢な企画。今年の同映画祭で好評を集めた最新作3本の上映、日本作品プログラマーを囲んだトークイベントなど、盛りだくさんの内容です。
ソルダーテ・ジャネット/Soldate Jeannette
7.13(土) 10:30
<2012年/オーストリア/79分>
♦アジアンプレミア♦
世界の映画祭が騒然となった、拝金主義風刺ブラック・コメディ。
ファニは、豪勢なマンションで贅沢な暮らしを送っていた。しかし、「買っては捨てる」を繰り返す馬鹿げた生活を離れ、畜産場でお金と無縁の生活を始める。そこで、若くて魅力的なアンナと出会う。
ダニエル・ヘースル監督は、2012年~2013年にかけて、カンヌ、ベネチア、ベルリンの世界三大映画祭で立て続けに1作品ずつノミネートされた「Paradise trilogy(パラダイス・トリロジー)」3部作に、鬼才ウルリヒ・ザイドルの助監督として参加するオーストリアの新たな新鋭。本作は2013年サンダンス映画祭、IFFRでは最高賞タイガー・アワードを受賞し、イエテボリ国際映画祭、New Directors/New Films 等で上映された、インディペンデントの祭典から引っ張りだこのアート作品。
監督:ダニエル・ヘースル
出演:ヨハンナ・オルシーニ=ローゼンベルク、クリスティーナ・レイシュザラー ほか
監督/ダニエル・ヘースル
1982年にオーストリアのウィーンに生まれる。 ウルリヒ・ザイドル監督の『Paradise』三部作に助監督として参加。ラジカルなアプローチのストーリーとスタイルに興味を持つ。映画制作集団<A European Film Conspiracy>を設立し、初長編監督デビュー作となった本作を製作した。ほかにも短編作品『The Madness of the Day』(2011)、『Lektion von alltäglichem Pathos』(2006)、『Lektion in Tango』(2004) を監督している。
ザ・リザレクション・オブ・ア・バスタード /The Resurrection of a Bastard
7.13(土) 13:30
<2013年/オランダ/89分>
♦アジアンプレミア♦
本年度ロッテルダム国際映画祭のオープニングを飾った超話題作!
極悪の限りを尽くしてきたロニーはある日命を狙われるが、なんとか一命を取りとめる。以来、ロニーは別人のように生まれ変わるのだが…。宿命で結びつく人間たちのドラマを、スタイリッシュな映像美で魅せる。
オランダ映画がロッテルダム国際映画祭(以下、IFFR)でオープニングを飾るのは、1998年以来、15年振り初。2004年に出版された、ヒド・ファン・ドリールによるグラフィックノベル*をベースにしたプロジェクトが、2010年、IFFRシネマート**に選出され、その後、作者本人の手によって映画化された。
主演を務めるのは『ドラゴン・タトゥーの女』、『ニュー・ワールド』、そして現在製作中の『47RONIN』(原題)などに出演し、国際的に活動するオランダ人俳優、ヨリック・ヴァン・ヴァーヘニンゲン。
*長く複雑なストーリーを備えた、大人の読書が対象とされるアメリカン・コミック
**世界最大規模、且つ30年の歴史を持つIFFRの国際共同製作企画マーケット
監督:ヒド・ファン・ドリール
出演:ヨリック・ヴァン・ヴァーヘニンゲン、ユダ・ホスリンハ ほか
監督/ヒド・ファン・ドリール
1962年にアムステルダムに生まれる。大学では歴史を勉強したが、独学でグラフィックを学び、雑誌や新聞などでグラフィック・アーティストとして活躍している。また数々のグラフィック・ノベルを執筆しており、ドキュメンタリー作品『U Are Speaking with Frank Laufer』(2000) や、短編作品『Green is Still the Nicest Color for Grass』(2007)を監督。長編監督デビュー作となった本作は、自身のグラフィック・ノベルに基づいている。
春夢/Longing for the Rain
7.13(土) 16:30
<2012年/香港/98分>
♦ジャパンプレミア♦
中流階級の女性の姿を通し、近代化した中国の歪みを描き出す問題作。
ファン・レイは、夫と娘とともに北京で一見幸せそうに暮らしていた。しかしある晩、夢の中で官能的な男性に襲われる。初めは恐怖を感じていた彼女だったが、次第に夢に現れるその男性に惹かれていく。
ダンス、演劇、映画で表現者として活躍してきた経歴を持つ女性監督、ヤン・リーナー(楊天乙)による初のフィクション映画。ヤンは90年代後半からドキュメンタリー映画を撮り始め、『老人』が山形国際ドキュメンタリー映画祭 アジア千波万波で奨励賞を受賞している。また、女優としては、ジャ・ジャンクーの『プラットホーム』に主演の一人として出演している。本作はHBF(フーベルト・バルズ・ファンド)*の助成を受けて製作され、IFFR上映後、2013年香港国際映画祭ヤング・シネマ・コンペィション部門で特別賞を受賞。前衛音楽の奇才と呼ばれ、ホウ・シャオシェン、ジャ・ジャンクー、ユー・リクウァイ監督作品の映画音楽でも知られる日本人ミュージシャン半野喜弘が音楽を手掛ける。
また、台湾の人気ドラマ『ザ・ホスピタル』、『花ざかりの君たちへ~花様少年少女~』などに出演するタン・ジーピン(唐治平)が夢の中の男を艶めかしく演じている。
* IFFRの映画製作支援システム(サードワールドが対象)
監督:ヤン・リーナー
出演:チャオ・スーユエン、フー・ジャー ほか
監督/ヤン・リーナー
1972年、中国に生まれる。1995年に中国人民解放軍芸術学院を卒業。バレエなどに出演し踊る傍ら、演劇や映画にも俳優として活動。ジャ・ジャンクー監督『プラットホーム』(2000)などに出演している。以後、ドキュメンタリー作家として活動し始め、近所に住む孤独な老人の日常を追ったドキュメンタリー『老人』(2009) を監督、国際的に評価される。本作は長編フィクション初監督作品となる。
トークイベント
若手映像クリエイターに対する、制作支援プログラムの充実で知られるロッテルダム国際映画祭から、日本作品プログラマーのヘルチャン・ズィルホフ氏を迎え、どのようにして世界中から新たな才能を発掘する映画祭になり得たのか、過去同映画祭に参加した日本人監督、プロデューサーを交えながら語るトークイベント!
日時:7.13(土)19:00
場所:映像ホール
入場料:無料(当日先着順)
ロッテルダム国際映画祭プログラマー
ヘルチャン・ズィルホフ