国際コンペティション
ルッツ
Luzzu
- 配信日時
- 9/25(土)10:00 ~ 10/3(日)23:00
- シネマディスカバリーズ
本作は作品権利上の都合により、オンラインでの視聴回数に制限があります。映画祭期間中であっても、再生回数が500回に達した時点で配信終了となります。予めご了承ください。
マルタの伝統的な木造漁船ルッツ。
男にとって、それは命にも代えがたいものだった。
漁師のジェスマークはある日、自分のルッツに穴が空いていることに気づく。折しも、家業としてきた漁業は日に日に厳しさを増していた。妻と生まれたばかりの成長障害のある息子を養うため、彼は決断を迫られていく。
©Léo Lefèvre
監督:アレックス・カミレーリ
出演:ジェスマーク・シクルーナ、ミケーラ・ファルジア、デイヴィッド・シクルーナ
2021年 / マルタ / 94分
アイデンティティである漁師の仕事と愛する家族を守るべき父親、ふたつの両立が困難な状況に陥った時、男が下す決断に心揺さぶられる。この重厚な人間ドラマで長編デビューを飾ったのは、マルタ系アメリカ人のアレックス・カミレーリ。メリル・ストリープが卒業していることでも知られる、名門ヴァッサー大学在籍中に制作した短編ドキュメンタリー『Still Here』(10)が高い評価を受け、2017年の短編作品『Prickly Pear』はトロント国際映画祭でプレミアされ、すでにその卓越した 演出力が注目されていた。本作は2021年のサンダンス映画祭ワールドシネマ・ドラマティック部門で俳優賞を受賞した。その受賞者となる主演のジェスマーク・シクルーナはマルタの実際の漁師で、主人公の複雑な心情の揺らぎを、初めてとは思えない見事な演技で表現している。
監督:アレックス・カミレーリ
マルタ系アメリカ人監督で、サンダンス・インスティチュート、フィルム・インディペンデントのラボに参加した。なかなか見ることのないマルタの漁業界を、プロの俳優ではない役者を主演に迎え、リアルに描いた本作で長編作品デビューを果たす。本作はマルタの助成金を獲得し、2019年のレザルク・ヨーロッパ映画祭の未完成作品上映会で、2021年の公開に向けて有力な海外セールス会社Memento Films Internationalに買い付けられた。また、主要映画祭で上映された『Keep the Change』(17)や『Blood Kin』(18)は編集を、HBO製作の『華氏451』では編集アシスタントを務めている。現在、マルタを舞台にした長編第二作を準備中。
メッセージ
本作を作るまで、私はマルタの漁業についてほとんど知りませんでした。それだけでなく、私は人生において釣りに行ったことさえありませんでした!しかし、マルタの伝統的な漁師の美しく輝いた世界に、長い間私は想像力をかき立てられてきました。そして、私が本作のためにリサーチを始めたとき、家族、運命、そして犠牲の問題、つまり私が自分の人生で疑問に思っていることが、多くの漁師に重くのしかかっていることにすぐに気づきました。