国内コンペティション 短編部門
小山田喜久太郎
Kikutaro's Journey
- 配信日時
- 9/25(土)10:00 ~ 10/3(日)23:00
- シネマディスカバリーズ
いなくなった息子の帰りを待つ父親をだましきれるか、喜久太郎!
劇団俳優の小山田喜久太郎は、どんな役にもなりきる代行業を生業としている。ある日、小山田は、内海という女性から行方不明になっている野生動物写真家の夫を演じ、年末年始を彼女の義父と過ごして欲しいと頼まれる。
監督:江沅庭
出演:市川貴之、広瀬慎一、澤真希、真柳美苗、アライジン、宇野めぐむ、上村誠、磯貝誠、杉原織葉
2021年 / 日本 / 35分
人物のレンタル業というユニークな仕事をテーマに作品を制作したのは、台湾からワーキングホリデーで来日し、日本で映画を学んだ江沅庭監督。本作は江が学んだ武蔵野美術大学大学院の修了制作。同大学の卒業・修了制作作品は、ぴあフィルムフェスティバル、TAMA CINEMA FORUMなど若手登竜門の映画祭に毎年のように名を連ね、高く評価をされている。父親と暮らしながら実の息子を演じきるという、一見涙を誘う展開になりそうなドラマが、レンタル家族という特殊な設定の中で描かれていることで、ひと味違う軽妙さを醸し出している。作中に出てくる、とある小道具も、ある時は、くすりと笑いを誘い、またある時は、心を揺さぶられるアイテムとなっており、見逃せない。
監督:江沅庭
台湾高雄市出身。台湾の大学を卒業後、ワーキングホリデーで来日。その後、武蔵野美術大学に入学し、実写映画製作にのめり込んでいた。現在は京都で映像制作の仕事をしている。
メッセージ
今回は「熊」をモチーフに、熊肉、熊手、「なめとこ山の熊」(宮沢賢治作)の挿話などを通し、ストーリーの構築・展開に挑戦した。私にとって、映画は旅の様なものである。日頃抱えた荷物を一旦下ろし、別の世界で自由自在に旅をすることができる。本作では「芝居」をテーマに「演じる」主人公の小山田喜久太郎を通して、一見何でもない「家族」のささやかな日常世界を楽しんでもらいたい。