ゲストインタビュー
長編部門受賞者
<最優秀作品賞> エルネスト・ダラナス・セラーノ監督 『ビヘイビア』
― 受賞のお気持ち
この瞬間を分かち合うことができて、非常に嬉しく思います。私は映画で描かれているような環境で育ちましたが、幼い頃、子供たちが座頭市に夢中になっていたのを思い出します。シリーズ全作品を何度も繰り返し観たものです。その後、小津や黒沢の作品を発見して、ますます日本文化に魅了されるようになりました。この度、映画が遠く離れた場所への架け橋となり、映画を通して共通点を感じることが出来たこと、非常に嬉しく思います。スタッフ、そして出演した子供たちに代わり、お礼を申し上げたいと思います。子供たちの多くは、演技経験もなく、映画で描かれた通りの人生を送っており、彼らなくしてこの作品は成立することはありませんでした。ありがとうございます。
<監督賞> ホルヘ・ペレス・ソラーノ監督 『絶え間ない悲しみ』
― 受賞のお気持ち
監督賞をいただくことができて、大変嬉しく思っています。特にこの映画制作のプロセスにおける作業というものを、的確に評価してくださったことが受賞につながったと思いますので、非常に満足しています。
― Dシネマ映画祭に参加されてみていかがでしたか?
日本に来られるとは考えてもいませんでした。この映画祭は未来に向かって歩んでいるという印象を受けます。この映画祭に参加することによって、新たな仕事に繋がる機会や刺激を与えてもらうことができました。私は日本映画から、異なる文化をたくさん学ばせていただきました。人生の新しい見方もそういった異文化の中から学んでいくことができます。おそらくこれは双方向だと思いますが、メキシコ人も日本映画を観て、日本の皆さんもメキシコの映画を観る中からそういったものを学んでいただければと思います。
<脚本賞> マーク・ヌーナン監督 『君だってかわいくないよ』
― 受賞のお気持ち
脚本賞の受賞ありがとうございます。脚本執筆に4年間かけました。このような形で認められてとても嬉しく思います。まず映画祭プログラマーと審査員の方々に感謝します。それに観客の皆さまとアテンドの美穂子さん、本作のスタッフにも感謝しています。また日本を訪れることを願っています。ありがとうございます。
<SKIPシティアワード> 内田英恵監督 『あした生きるという旅』
― 受賞のお気持ち
受賞できるとは思っていなかったので、びっくりしたと同時に嬉しく思っています。上映をご覧になったお客さまからも、「生きるということについて色々考えた」と直接感想をいただけて、とても良かったです。今後はまたドキュメンタリーをやりたい気持ちもありますが、そこだけにこだわらず、新たに自分自身と向き合って、次に向けて動いていきたいと思います。
―Dシネマ映画祭に参加されてみていかがでしたか?
ボランティアの方が明るく迎えてくださって、会場でも声をかけていただいたりして、とても地元に根付いている映画祭だと思いました。
短編部門受賞者
<最優秀作品賞> 薮下 雷太監督 『わたしはアーティスト』
― 受賞のお気持ち
変化球の作品を投げてやろうと思って作った作品だったので、グランプリをいただけて本当に感激です。他の監督の作品もたくさん観させていただいて、短編は「ライバルだな」と思いながら観ていました。長編は純粋に観客として観ていて、クオリティの高さにびっくりしました。自分は個人的なテーマで作品を作っていますが、海外作品はそういった視点もありつつ、広い視野も持っている作品が多かったのが印象的でした。そういったところは見習いながら、自分も長編作品を作っていきたいと思います。
― 副賞のSKIPシティアワードについて
今まで技術的に自主制作だとできなかったことがたくさんあるので、今回こういった副賞をいただけたことで、もっと作品の発想や幅が広げられるのではないかとすごく楽しみです。
<奨励賞> 甲斐 さやか監督 『オンディーヌの呪い』
― 受賞のお気持ち
SKIPシティ国際Dシネマ映画祭は私のまわりで活躍している監督たちから噂を聞いていて、今回短編作品を作ったこともあり、出してみようと思って応募しました。初めて応募した作品で賞をいただいて、参加できてとても光栄でした。
― Dシネマ映画祭に参加されてみていかがでしたか?
お客さまがQ&Aで本当にたくさん質問されるのが、日本の映画祭では珍しいのではないかと思いました。厳しいご意見も含め、色々なご意見をいただいて、すごく刺激的でした。現在次回作を準備中ですが、自分の好きなことや、自分の持っている世界観を出しながら、これからも挑戦していきたいと思っています。
<奨励賞> 湯浅 典子監督 『空っぽの渦』
― 受賞のお気持ち
十代の女の子の青春を、できるだけ今の時代性をきちんと乗せたうえでどれだけ鋭く切り取れるかと思っていました。それがどうしてもやりたくて作った作品なので、大勢の方に理解してもらうのは難しいかなと思っていましたが、今回賞をいただいてすごく嬉しい気持ちです。
― Dシネマ映画祭に参加されてみていかがでしたか?
とても暖かい映画祭で、居心地が良かったです。Q&Aの時に、作品の細かい所から「ここがわからないけれど、どうして」といったことなど、年齢・性別問わず皆さんから熱心にご質問いただけるのがすごく嬉しかったです。これからもテレビドラマの仕事もしつつ、ロングスパンで長編の映画をコンスタントに撮っていきたいと思っています。
アニメーション部門
<最優秀作品賞> 朴 美玲監督 『夢かもしれない話』
― 受賞のお気持ち
とても驚きました。同時に大変嬉しく思っています。本当にありがとうございました。
<奨励賞> 塚原重義監督 『女生徒』
― 受賞のお気持ち
この作品は非常に多くのスタッフに支えられて作った作品なので、皆にありがとうと言いたい気持ちです。SKIPシティ国際Dシネマ映画祭は上映の環境がとても良くて、『女生徒』は横長のスコープサイズで作った作品ですが、きちんとスコープサイズで上映していただける環境は今までなかったのでとても嬉しかったです。今回は文学を原作にした作品でしたが、次はオリジナル作品を制作したいと思っています。
<奨励賞> 木畠彩矢香監督 『息ができない』
― 受賞のお気持ち
大学の卒業制作で、今までやってきたことの集大成として作った作品が、こうして評価していただいたことに、本当に嬉しい気持ちでいっぱいです。音楽や、機材など色々な方に手伝っていただいたので、その方たちにも感謝したいと思います。これからも砂を使ったアニメーションや、他の技法にも挑戦しながら新作の構想を練っていきたいと思います。
<審査員特別賞> 水尻自子監督 『幕』
― 受賞のお気持ち
審査員特別賞をいただいて、驚きとともに審査委員の皆さまに感謝申し上げたいと思います。自分の作品は言葉に出来ないような不思議な作品だと思っていますが、その部分も含めて評価していただいて本当に嬉しく思っています。