ゲストインタビュー
国際コンペティション受賞者
<最優秀作品賞> 『この苗が育つ頃に』 レーゲル・アサド・カヤ監督
― 受賞のお気持ち
このような名誉ある賞をいただき、たいへん光栄です。シリアのクルディスタン地域ロジャヴァのコミュニティで制作された、戦争の物語が日本に届きました。私たちにとって、最高の喜びです。カメラと物語を通して、私たちの声を世界に届けようとしています。自由で平等な世界を手に入れようと闘っています。この思いと目的のために、この賞を、戦争が終わった時の素晴らしい日に捧げたいと思います。また、自由と平等のために闘っている人々に捧げます。そして、戦争で命を失った世界中の子どもたちにも捧げたいです。このような賞をいただき、本当にありがとうございます。映画祭で、皆さんと私たちの思いを共有できたことを嬉しく思います。クルディスタン、シリアから、私たちの声を日本に送ることができました。受賞に関わらず、私たちにとって、これが最も大切なことです。
<監督賞> 『僕が見た夢』 エルナン・オリヴェラ プロダクション・ディレクター
― 受賞のお気持ち
パブロ監督は以前も『家(うち)へ帰ろう』(映画祭上映タイトル:『ザ・ラスト・スーツ』)を本映画祭で上映していただいたこともあり、この映画祭が大好きで、自分の心の大事な位置を占めていると聞いています。今回、『僕が見た夢』をこの映画祭で上映していただけたことは私自身も嬉しく思っています。審査員の明石直弓さんがおっしゃる通り、本作は演出が大変でした。しかしながらその成果をしっかりと捉えていただき、そして評価していただけたことが、私としても大変嬉しく思います。
<審査員特別賞> 『シックス・ウィークス』 ノエミ・ヴェロニカ・サコニー監督
― 受賞のお気持ち
私たちはとても感動し、名誉ある賞の受賞を本当に嬉しく思っております。本作の制作は、私たちキャスト・スタッフ全員にとって、とても困難なものでした。プロデューサーを始め、すべてのスタッフにとって、この受賞は本当に嬉しいことです。なぜなら、すべてのスタッフがこの初長編作品に、たくさんの愛と労力を注いだからです。本作が作品を観てくださった観客の皆さんの心に届いたということを聞きました。とてもとても嬉しいです。ありがとうございました。
<観客賞> 『助産師たち』 レア・フェネール監督
― 受賞のお気持ち
とても素晴らしい賞で、大変光栄であり感激していますし、この賞をいただき幸せです。皆さんに感謝の気持ちをお伝えしたいです。観客の方々と質の高い交流を持てたことは幸運でした。日本での出産の現実について多くのことを学びました。出産が私たちの人生の中心でありどれだけ重要なことかを理解し、本作のテーマを分かち合えたということが興味深く、かつ感動的なことでした。私は大変心を打たれました。この映画のテーマによって人々の心と心の距離が縮まっていくのを見るのは、私にとっては感動的なことだと思っています。なぜなら日本であれフランスであれ、私たちは皆、助産師たちの手の中にいたという事実があるからです。この素敵な賞をありがとうございます。そして観客の皆さんの評価にもお礼を申し上げます。日本に来られてとても幸せでした。
国内コンペティション受賞者
<SKIPシティアワード、優秀作品賞(長編部門)> 『地球星人(エイリアン)は空想する』 松本佳樹監督
― 受賞のお気持ち
まさかダブル受賞なんて夢にも思わなくて、自分としてはまずお客さんの目に触れる機会を作っていただけただけで本当に嬉しくて、どんな反応が返ってくるかなということばかり気にしていたので、賞をいただけて、自分の考えていた面白さがほかの人にも伝わったということと、認められたんだなということが、本当に嬉しく思います。
― 当映画祭に参加されていかがでしたか?
本当にすごい作品ばかりでそこに自分も並んでいるのがなんだか信じられなくて、へこんだりもしたんですが、本当に面白い作品ばかりで、それぞれの監督がこれからどんな作品を撮っていくのかということも気にしていきたいと思いました。
― 今後の活動や展望について
SKIPシティに参加する前から、次の作品をどういうものにしようかと考えていましたが、SKIPシティを経て、こんなにたくさんの人に注目してもらいながら、次の作品を作らなければいけないのかということが身に染みて、書いていた脚本やプロットをもう一回練り直さなきゃという思いになっています。自分が面白いと思える作品を、皆さんに見ていただくという第一段階はクリアしたので、これからは、自分が面白いと思いつつも、お客さんからどういう風に見えるのか、どういう風に伝わるのかというところまで意識しつつ、副賞でいただいたSKIPシティの施設利用も使いながら作品作りを進めていけたらと思っています。
<優秀作品賞(短編部門)> 『猟果』 池本陽海監督
― 受賞のお気持ち
ただただ嬉しいです。やはり人に評価されるということはとても気持ちがいいなと、なかなか人に評価されることがなかった人生だったので、とにかく嬉しいです。
― 当映画祭に参加されていかがでしたか?
正直、グランプリ獲るだろうなと思いながら、内心はヒヤヒヤでした。獲れて安心しました。
― 今後の活動や展望について
日本映画は自分たちがいま置かれている状況や社会への問題意識が低い作品がすごく多いと思っています。海外作品とのレベルの違いは、単純に予算ではなくて、やはりそういう危機感のなさが、ちょっと日本映画はやばいなと、今回改めて思ったので、自分の置かれているこの社会を、いまこの時代に映画という表現でどういうことができるだろうと模索しながら、短編、長編にかかわらず映画を作っていこうと思いました。頑張っていきます。
<スペシャル・メンション> 『ミミック』 高濱章裕監督
― 受賞のお気持ち
スペシャル・メンションということで、当初用意されてなかった賞を特別に、審査員の方たちのお気持ちということで頂戴できてすごく嬉しいです。
― 当映画祭に参加されていかがでしたか?
初めて映画祭に参加して、それがSKIPシティ国際Dシネマ映画祭というすごく大きい映画祭で、立派な映画祭だなということを感じながら、ほかの作品も拝見しました。短編は8作品あったので、自分以外の方の作品も拝見して、いろんなジャンルも、いろんな描き方もあって、勉強させられるものがすごく多かったと思います。
― 今後の活動や展望について
次はまた短編を撮りたいと思っています。今回賞をいただいて、すごく励みになりましたし、出てくれた俳優の皆さん、スタッフの皆さんでいただけた特別な賞ということで、今後も引き続きより良いものを描ければいいなと思っています。
<観客賞(長編部門)> 『ヒエロファニー』 マキタカズオミ監督
― 受賞のお気持ち
とても嬉しいです。なかでも観客賞という、お客さんが観て選んでくれたというのは、やはり嬉しいですね。今回はホラー映画ということで、ジャンル映画を皆さんが観て選んでくれたということは、ホラーが大好きな人間としてはすごく嬉しいので、これからもホラー映画を撮っていきたいと思います。ありがとうございます。
― 当映画祭に参加されていかがでしたか?
国内の作品はほとんど観たんですけれども、刺激にもなりましたし、悔しいというか、観ていて「うわぁ、やられた」という嫉妬もあって、早くまた脚本を書いて撮りたいです。また機会があれば参加したいと思っています。
― 今後の活動や展望について
普段は脚本を書くことが多いので、脚本を書いていって、機会があったらまた長編も撮れたらと思っています。
<観客賞(短編部門)> 『勝手に死ぬな』 天野大地監督
― 受賞のお気持ち
短編は全部拝見しましたが、それぞれ本当に素晴らしい作品がたくさんある中で、まず上映できたことを嬉しく思っていますし、観客賞という、観客の方が投票してくれた賞をいただけたのはすごく嬉しいです。
― 当映画祭に参加されていかがでしたか?
18歳の時に初めて映画を作って、その時から知っている映画祭で、学校の卒業制作を作った時も出したことあるんですけど、それは通らなくて。大きい映画祭だし、いつか出してみたいな、参加してみたいなと思っていたので嬉しかったです。自分の作品を上映できたこともそうですし、他の作品からも刺激を受けたり、いろんな話ができたこともとてもよかったです。
― 今後の活動や展望について
撮りたい作品があるので、それを形にできるようにしたいと思います。『勝手に死ぬな』という作品は、じつはオムニバスの3作品のうちの1本として秋に劇場公開を目指しているので、まだご覧になられてない方や、もう一回見たいなと思っていただけたらぜひ劇場でご覧になって欲しいと思います。
※受賞者のコメントは表彰式当時のものです。