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ゲストインタビュー

 

   ■国際コンペティション受賞者

   ■国内コンペティション受賞者

 

国際コンペティション受賞者

<最優秀作品賞>  『揺れるとき』 サミュエル・セイス監督、キャロリーヌ・ボンマルシャン プロデューサー

 

<最優秀作品賞>  『揺れるとき』 サミュエル・セイス監督、キャロリーヌ・ボンマルシャン プロデューサー

― 受賞のお気持ち

 

(サミュエル・セイス監督)
とてもうれしく思います。足掛け一年かけて、世界各国色々なところにこの映画とともに旅をさせていただき、素晴らしい旅路となりました。そして1年を経て、日本へやって来られたこと、本当にラッキーだと思っています。こうして様々な映画祭に参加させてもらい、色々な賞を受賞させてもらっている中で、やはり文化の懸け橋的な役割をさせていただいているんだという実感があります。フランスの文化と日本の文化と、その懸け橋になっているんだということに感慨深さを感じます。

 

(キャロリーヌ・ボンマルシャン プロデューサー)
今回受賞することができて、この作品を誇りに思うとともにとてもうれしい気持ちでいます。というのも私は日本の映画の大ファンで、特に小津安二郎監督や、是枝裕和監督が大好きなので、日本の皆さんからこの賞をいただけたことをとてもうれしく思いますし、非常に希望が湧いてきて、今後も作品を作り続ける勇気をいただいたような気がします。ありがとうございます。

 

― 当映画祭に参加されていかがでしたか?

 

(サミュエル・セイス監督)
初来日ということで色んな期待に胸を膨らませながらやって来ましたが、その期待がすべて満たされました。この映画祭に参加して、まず作品選定に非常に感心しました。今回のコンペティションでは3本がフランス作品でしたが、いずれも素晴らしくて、作品選定をしてくださった皆さんの野心と優しさに心打たれました。日本の文化から感じ取れることは、何でも心血を注いで取り組むということ。その姿勢に感心しました。フランス文化との共通点を挙げるならば、洗練に対するこだわりがこの国にはあるんだなと感じ取りました。

 

(キャロリーヌ・ボンマルシャン プロデューサー)
私は3度目の訪日になるんですが、今回はこの映画祭の皆さんの優しさ、そしてきっちりと物事が整理整頓されていることに非常に感心しました。今回はこうして監督と一緒に日本にやってくるという非常にユニークな体験をさせていただき、1年間、世界各国を旅した後で日本で最後を迎えることができたことを大変嬉しく思いますし、色んな良い思い出が残っています。

 

― 今後の活動や展望について

 

(サミュエル・セイス監督)
この映画は、じつはパンデミックが発生する前に撮影を終えていて、完成する間近でパンデミックが襲来したので、私としても初めての経験となりました。つまり、全部撮り終わったものを保留しなければならない。そしてその期間がどのくらいになるか分からないような状態は初めてでした。そんな中で何をしたかというと、新しい脚本を書き始めました。新しいプロジェクトをいま企画していて、今は準備に入っています。2月から撮影を開始する予定ですが、そういう意味でも『揺れるとき』で世界各国の映画祭行脚を経ての日本ですので、さてここから新企画に入りましょうかという区切りになっているのではないかという実感があります。

 

(キャロリーヌ・ボンマルシャン プロデューサー)
まず私の願うところをお話しすると、『揺れるとき』に配給元がついて、より多くの観客の皆さんにお見せすることができれば嬉しいと思っています。そして次の作品でもう一度SKIPシティを訪れることができたら嬉しいと思います。

 

 

 

<審査員特別賞>  『UTAMA~私たちの家~』 アレハンドロ・ロアイサ・グリシ監督

 

<審査員特別賞> 『UTAMA~私たちの家~』 アレハンドロ・ロアイサ・グリシ監督

― 受賞のお気持ち

 

ありがとうございます。まずこの映画に出演してくださったキャスト、また関わってくれたクルーの皆さん、そして映画祭の運営の皆さんに感謝を申し上げたいと思います。もちろん私自身、とても幸せですし誇りに思っています。そしてこのボリビア映画が、世界中色んな国で受け入れられ、また日本という、地球の真反対にある美しい国においても観客の方々に喜ばれたということがとても嬉しいですし、ありがたいと思っています。

 

― 当映画祭に参加されていかがでしたか?

 

この難しい状況の中で日本に来ることができたことを本当に楽しんでいます。そして日本の文化は私がずっと興味を持って、尊敬の念を抱いていた文化なので、それを経験できて非常に嬉しく思っています。映画祭の大きなスクリーンで自分の映画を上映できるというのは非常に素晴らしい体験ですし、またほかの製作者や監督たちと出会えることも素晴らしい経験になっていると思います。そして上映をすることで、観客の方の感想や反応を実際に体験できるのも良いですし、またプログラムの中でどういうことが感じられているのかが分かるのも非常に良い経験でした。また日本に来られるといいなと思っています。

 

― 今後の活動や展望について

 

私は将来的にもボリビアのストーリーをボリビアの地で撮り続けたいと思っています。私は本当にボリビアという地に恋に落ちていますね。大好きなんです。ボリビアの文化、風景、人々、そこにある物語をこれからも語り続けていきたい、皆さんと分かち合いたいと思っています。

 

 

 

国内コンペティション受賞者

<SKIPシティアワード>  『Journey』 霧生笙吾監督

 

<SKIPシティアワード> 『Journey』 霧生笙吾監督

― 受賞のお気持ち

 

賞をいただけるとは思っていなかったので、面食らってびっくりしたというのが正直な気持ちです。最優秀作品賞は厳しいだろうなと思っていて、ただSKIPシティアワードの方だったら少し可能性あるかなって撮影監督と話していたんですが、あまり期待しないように待っていました。ただそれを呼んでいただいたということは、機材や施設を使わせていただくかわりに、次回ちゃんとした作品を提出することが求められていると思っているので、今回の受賞はひとつの結果として受け止めて、また新しい作品を大事にしていきたいです。

 

― 当映画祭に参加されていかがでしたか?

 

自分は武蔵野美術大学で短編を2本と長編を1本、合計3本撮影したんですが、全てどちらかというと自己表現としての映画だったので、誰かに見てもらうということを、想定はしてはいるけれども、そこまで強く意識できていなかったということが一番の気づきでした。映画の内容的なこともありますし、実際に劇場に来てもらって、お客さんに見ていただく、その後に感想を共有してもらう、拡散してもらう、そういった過程まで体験したことが初めてだったので、より多くの人に見てもらうことの難しさや、自分が思っていることを伝えることの難しさ、至らなさがけっこう感じられたので、すごく学びある2日間でした。

 

― 今後の活動や展望について

 

おそらく自分の強みになるであろうことは、いわゆる日本的な演出にこだわってないことだと思っています。ちょっと単調に思えるような間やカットというものを自分の作家性として育んでいって、次回もその次も、小さくまとまっていくのではなく、どんどん挑戦していって、映画というものの新しい見方や新しい挑戦をしていきたいです。

 

 

 

<優秀作品賞(長編部門)>  『ダブル・ライフ』 余園園監督

 

<優秀作品賞(長編部門)> 『ダブル・ライフ』 余園園監督

― 受賞のお気持ち

 

本当にありがとうございます。賞を取るとは全然思わなくて、夢みたいです。登壇の時はすごく緊張しましたが、ようやく皆さんに報告できるようになりました。ありがとうございました。自分の作品のテーマ「触れ合う」を(審査員の)月永理絵さんが教えてくれて、すごく感動しました。自分の初長編作品なので、この作品のように、知らない人に触れ合って、なにか変化していく。そういうことを心から期待しています。

 

― 当映画祭に参加されていかがでしたか?

 

すごくしっかりしている映画祭だなと思って、スクリーンも大きいし、スピーカーも、環境は素晴らしいなと思いました。上映が終わったらお客さんから色々質問されたり、サインも初めてやりました。自分の初長編がSKIPシティ国際Dシネマ映画祭に出品されてすごくよかったなと思います。ありがとうございました。

 

― 今後の活動や展望について

 

自分は物語を書くのがすごく好きで、いまもちょうど30分くらいの短編を書いています。中国に戻る前に、なんとかこの短編も撮りたいと思います。ありがとうございました。

 

 

 

<優秀作品賞(短編部門)>  『サカナ島胃袋三腸目』 若林萌監督

 

<優秀作品賞(短編部門)> 『サカナ島胃袋三腸目』 若林萌監督

― 受賞のお気持ち

 

もう本当に嬉しくて、まさかいただけるとは、名前を呼ばれる瞬間まで思ってもみなかったので、信じられない気持ちでいっぱいです。講評を聞いて、作品のビジュアル的なイメージも見ていただいたことはもちろん、音楽的要素にも注目していただいたことが、力を入れた部分だったので、とても嬉しかったです。

 

― 当映画祭に参加されていかがでしたか?

 

この作品は色んな方に関わっていただいたんですが、作業をしていたのはずっと自室で、ひとり単位でやっていたんです。そんな中で完成を迎えて、こうして色んな方に足を運んで見ていただいて、素晴らしい空間で上映できたということは本当に代えがたい経験でした。

 

― 今後の活動や展望について

 

次もまた物語性のあるアニメーション作品を作っていきたいと思っています。次に作りたいと思っているのは、犬と人間の関係性を描いた作品や、キマイラという怪物のしっぽを主人公にした作品で、今回は17分の作品でしたが、今後はもっと尺の長い作品にも挑戦したいと思っています。

 

 

 

<観客賞(長編部門)>  『ヴァタ ~箱あるいは体~』 亀井岳監督

 

<観客賞(長編部門)> 『ヴァタ ~箱あるいは体~』 亀井岳監督

― 受賞のお気持ち

 

マダガスカルを舞台にしたマダガスカル語の映画ですので、普段皆さんが見ることのない物語で、むしろ観客の方に支持していただいたというのは驚きです。制作に携わった全ての方々、そして映画祭の方々に厚く御礼申し上げたいと思います。

 

― 当映画祭に参加されていかがでしたか?

 

やはり映画祭の関係者の方々がお話しされてきた中にあるように、ひとつの映画をひとつのスクリーンで皆で共有するという喜びを非常に感じましたし、映画のあるべき姿を再認識しました。私の映画自体がひとつの事柄や物事を共有する映画ですので、参加できたことに本当に喜びを感じています。

 

― 今後の活動や展望について

 

私はこれで3本目なんです。最初がモンゴル、2本目はマダガスカル、今回の3本目もマダガスカル。独自の視点と言われることが多いんですが、私自身は等身大の自分の視点を続けてきましたので、これからも目に見えるもの、目に見えるところに足を運んで、感じ取ってモノ作りを続けたいと思います。

 

 

 

<観客賞(短編部門)>  『ストレージマン』 萬野達郎監督

 

<観客賞(短編部門)> 『ストレージマン』 萬野達郎監督

― 受賞のお気持ち

 

この映画のラストシーンは、それまでけっこう悲惨な目にあっていた主人公が立ち上る道を示すような終わりになっているんです。それは私が日本全体だったり、世界中へのエールのような部分を描きたいなと思って作った作品ですので、そういうところが観客の皆さんに刺さったというか、観客賞に選んでいただいたということは本当に嬉しく思っています。

 

― 当映画祭に参加されていかがでしたか?

 

すごくクリエイターに寄り添っている映画祭だなと思いました。作っている時は、監督としてはすごく不安に思っていて、観客の皆さんに見ていただくまではすごく不安なんですけど、そういう中で映画祭のスタッフの方が暖かく見守っていただけるのはすごくありがたいなと思っています。あとはすごく素敵な上映環境で流していただいて、それを見た観客の皆さんから直に感想を言っていただく環境をいただけたのは本当に感謝しています。ありがとうございます。

 

― 今後の活動や展望について

 

前作が20分で、今作が40分でしたから、次回はぜひ長編に挑戦したいなと思っています。自分の命題でもありますが、社会問題をちょっとエンターテインメント風に描くということは今後もやっていきたいので、社会派ダークコメディみたいなものを作っていきたいと思っています。

 

 

 

※受賞者のコメントは授賞式当時のものです。

 

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