国際コンペティション
カムバック/The Comeback ◊ ジャパン・プレミア◊
<2020年 / スウェーデン / 93分>
35年経っても消えない、あの時の屈辱。
その悔しさを晴らすため、今ふたたび、闘いの火蓋が切られる!
かつて将来を嘱望されるバドミントン選手だったアン=ブリットだが、1983年、スウェーデン選手権決勝の試合に敗れた瞬間から、彼女の人生が狂い始めた。その敗戦が審判のミスジャッジによるものだと確信している彼女にとって、35年が経った現在でもその敗戦は忘れ難く、決して許すことのできないトラウマとなっていた。
©Gustav Danielsson
監督:パトリック・エークルンド
出演:アンキ・ラーション、オッレ・サッリ、ジミー・リンドストローム、ベングト・C・W・カールソン、ピア・ハルヴォルセン、アルビン・グレンホルム
原題の「Revansch」からはシリアスな復讐ドラマが想像されるが、作品はロイ・アンダーソンに代表されるスウェーデンらしいシニカルなコメディ。負け犬たちが人生の復活を目指し闘志を燃やす姿に、観客は笑い、涙させられる。監督、脚本を手掛けるパトリック・エークルンドは、2008年の『Instead of Abracadabra』でアカデミー賞短編映画賞にノミネーションされた実力者。主にTVの世界で活躍しているが、長編デビュー作『フリッカー』(12)は日本でも沖縄国際映画祭、スウェーデン映画祭で上映された。アン=ブリットを演じる主演のアンキ・ラーションは、話題作『ミッドサマー』(19)にも脇役で出演する名バイプレーヤーで、本作では主演として体当たりの演技を見せている。またダメ息子マティアスは『サーミの血』(16)、『ブリット=マリーの幸せなひとりだち』(19)をはじめ、映画、TVを問わず活躍するオッレ・サッリが演じ、アンキ・ラーションとの掛け合いを楽しませてくれる。
監督:パトリック・エークルンド
脚本家・監督であるパトリック・エークルンドの作品は、各国から評価を受け、『Seeds of the Fall』(09)がカンヌ映画祭批評家週間の最優秀短編映画賞を受賞。また『Instead of Abracadabra』(08)では、アカデミー賞短編実写映画賞にノミネートされた。
メッセージ
バドミントンは世界中で最速のスポーツと考えられていますが、これまでこのスポーツをテーマにした映画は作られていませんでした。この作品は、1983年のスウェーデン選手権の決勝によって人生を狂わせたアン=ブリット・ラーションが、30年以上が過ぎてから壮大な復讐を計画する物語です。このロッキー・バルボアの魂を持ったダーク・コメディが、SKIPシティ国際Dシネマ映画祭で上映されることを嬉しく思います。このような時代に、オンラインという方法によって映画祭の魂を絶やさなかったのはとても素晴らしいことです。