国際コンペティション
フェリチタ!/Felicità ◊ ジャパン・プレミア◊
<2020年 / フランス / 85分>
夏休み最後の日、家族に起こった大事件とは?
幸福感満載のシュールでキュートなフレンチコメディ。
いつでもイヤーマフをつけて自分の世界に籠る11歳の少女トミーは、冗談とは思えない作り話をする自由奔放な両親に驚かされながら、楽しく暮らしている。ある日、刑務所を出たばかりの父は、「新学期一日目となる明日は、必ず車で学校まで送る」とトミーに約束するのだが、母が夜になっても仕事から戻らずパニックに陥ってしまい…。
©Unité - Jack N’a Qu’un Œil
監督:ブルーノ・メルル
出演:ピオ・マルマイ、リタ・メルル、カミーユ・ラザフォード、オレールサン、アダマ・ニアン
フランス映画ならではのシュールなユーモアを堪能できる作品。監督のブルーノ・メルルは、初長編『変態ピエロ』(07)が第46回カンヌ映画祭批評家週間のオープニングを飾り、監督としても華々しいデビューを飾っているが、本国フランスでは数多くのTVシリーズの脚本を手掛ける脚本家として有名。『アーティスト』(11)のミシェル・アザナヴィシウス監督による大作『The Lost Prince』(20)にも、共同脚本として名を連ねている。父ティモシーを演じるのは、『トラブル・ウィズ・ユー』(18)でセザール賞主演男優賞にノミネートされたほか、『おかえり、ブルゴーニュへ』(17)にも主演した人気俳優ピオ・マルマイ。とにかくキュートなトミーは、監督本人の娘リタ・メルルが演じている。また、作品冒頭のエピソードを受けて、人気ラッパーのオレールサンがトミーの想像の世界に現れる宇宙飛行士役で出演しているお遊びも楽しい。
監督:ブルーノ・メルル
数々の短編映画を経て、初長編である『変態ピエロ』(07)を制作。この作品は、カンヌ映画祭批評家週間のオープニング作品として上映され、数多くの映画祭にも選ばれた。その後、様々な映画作品の脚本を自身または共同で手掛ける。最近では、フランスで2020年2月に公開されたミシェル・アザナヴィシウス監督の『The Lost Prince』(20)で共同脚本を務めた。
メッセージ
私は『The Lost Prince』で描いた父娘の関係について、この作品でさらに追及したかったのです。しかし、すぐにこの希望は作品の一部でしかないことになりました。特に私は本作で、決められた社会生活から外れることで得られる自由を通して、精神的余白というものについて描きたいと思いました。この少女の両親は、今後数カ月、数年の中で、どのような選択をするでしょうか?家、犬、リラックスした仕事のあるきちんとした暮らしでしょうか、あるいは、自由を伴う放浪的な生活でしょうか。この前提を決めてから、作品を構築していきました。私は、この映画を宝探しのような作品にしたかったのです。