国内コンペティション 長編部門
コーンフレーク/Cornflakes
<2020年 / 日本 / 95分>
同棲7年目、結婚の予定…まるでなし。
磯部鉄平ワールド全開の多幸感溢れる珠玉の逸品。
保険外交員として働く美保は、音楽の夢を捨て切れず自堕落な生活を送る裕也との暮らしに居心地の良さを感じながらも、このままでいいのかと自問していた。ある日、裕也のバイト先の後輩・朱里とのメールが元で口論となり、美保は裕也を家から追い出す。行き場を失った裕也と、ひとりになった美保。同棲7年目の二人は、この日別々の夜を過ごす。
©belly roll film
監督:磯部鉄平
出演:GON、高田怜子、日乃陽菜美、手島実優、木村知貴、土屋翔、南羽真里
よくもこれだけダメな人間ばかり出てくる作品を、しかし、そのすべての人間が愛おしく感じられる作品を作れるものだと、改めて磯部鉄平監督の才能に感嘆する。2016年から自主映画の制作を始めた遅咲きの磯部監督だが、本映画祭では3年連続のノミネートとなる。しかも、前2作は『予定は未定』(18)で短編部門優秀作品賞、『ミは未来のミ』でSKIPシティアワードに輝き、連続受賞を果たしている。本作は、製作の谷口慈彦、脚本の永井和男、撮影の佐藤絢美、音楽のKafukaと磯部組常連のスタッフが集結し、『真夜中モラトリアム』(17)に出演したGONが裕也役を、『オーバーナイトウォーク』(19)主演の高田怜子が美保を演じており、チームワークも抜群。さらに磯部監督作品には初参加となる日乃陽菜美、手島実優の二人も、実在感たっぷりの演技で魅力を放っている。
監督:磯部鉄平
ビジュアルアーツ専⾨学校⼤阪卒業。⼩⾕忠典監督のドキュメンタリー『フリーダ・カーロの遺品』(15)に海外撮影スタッフとして参加。帰国後は映像フリーランスとして企業VP、MV のディレクターなどで活動する。2016 年から映画製作を開始。初⻑編映画『ミは未来のミ』(19)がSKIP シティアワード、映⽂連アワード2019 準グランプリを受賞。2020年7⽉には、『予定は未定』(18)、『オーバーナイトウォーク』(19)の短編2本、『ミは未来のミ』が連続で劇場公開された。
メッセージ
初長編『ミは未来のミ』は10代の頃の体験をベースに映画を撮りました。じゃあ2作目の長編は20代だ!ってことで、「居心地良いけどこのままじゃダメだ。でも働くのは明日からにしよう」とダラダラモヤモヤぬるま湯人生を過ごしていたあの頃を思い出しながら作りました。夢に向かってる人、諦めた人、そんなもんない人も観てください。生きてりゃ何でも良いと思います。知らんけど。