国内コンペティション 短編部門
こねこ
Kitten
- 上映日時
- 7/18(月・祝)10:30 多目的ホール
- 7/22(金)14:20 映像ホール
- 配信日時
- 7/21(木)10:00 ~ 7/27(水)23:00
新しい出会いが連れてきた、あの頃の私。
大切にしたいものは、今も自分の中にある。
高校生になった石松りんは、友達を作るために大好きな読書をやめるが、登校初日に出会った玲と一緒に図書委員をすることになる。ある日、下校中に子猫を見かけたりんは、玲から謎の質問を投げかけられる。
©映像制作実習2021
監督:山口あいり
出演:モカ、犬飼直紀、藤井咲有里、佐藤恵璃佳、宮ヶ崎徳子
2022年 / 日本 / 19分
「もし今の猫が怪我してて、人に手を差し伸べられたらどんな気持ちになると思う?」劇中で問われるその言葉に、自分だったらどう答えるだろう。山口あいり監督の体験を基にした本作は、大人になるに連れ、素直に自分の気持ちを言えなくなっていく切なさや、他者の心を推し量ろうとする善意とその危うさを、詩情豊かに綴る青春映画。多感な10代の繊細さを正に体現したモカ、犬飼直紀の瑞々しい存在感はもちろん、司書の勝さんを演じた藤井咲有里の凛とした魅力も印象深い。思春期の頃に出会う“家族でも教師でもない大人”が教えてくれる世界の広がりは、きっと多くの人の琴線に触れるだろう。早稲田大学基幹理工学部の映像制作実習作品が本映画祭にノミネートされるのは今年で3年目。改めて、是枝裕和監督、篠崎誠監督らが指導に当たる本実習の充実さを感じさせる。本映画祭での上映がワールド・プレミアとなる。
監督:山口あいり
岐阜県山県市出身。早稲田大学基幹理工学部表現工学科、土田・是枝研究室にて映画や映像について学ぶ。
メッセージ
この作品は、私が小学生の時に体験した道徳の授業を基に作りました。優しさや同情から向けられる言葉や、差し伸べられる手の「怖さ」。大学生になった今、小さい頃から抱えていたこの「怖さ」と改めて向き合い、映画にできたことは貴重な経験でした。このような機会をいただけて、大変光栄です。