特集上映「What's New~飛翔する監督たち~」
断捨離パラダイス
Hoarder on the Border
- 上映日時
- 7/22(金)17:30 映像ホール
ゴミあるところにドラマあり。
ごみ屋敷を舞台に繰り広げられる断捨離人情喜劇。
ピアニストの律稀は原因不明の手の震えによりキャリアを断たれ、ごみ屋敷専門の清掃業者「断捨離パラダイス」で働くことを決意。彼は、華やかな世界から一転、想像を絶する世界を目撃していくことになるのだった。
©断捨離パラダイス
監督:萱野孝幸
出演:篠田諒、北山雅康、泉谷しげる、武藤十夢(AKB48)、中村祐美子、関岡マーク
配給:クロックワークス
2022年 / 日本 / 101分
昨年、『夜を越える旅』で本映画祭の国内コンペティション長編部門優秀作品賞と観客賞をW受賞した萱野孝幸監督の最新作。前作で展開が読めないロードムービーを撮ったと思えば、本作のような人情喜劇も作ってしまう多才な萱野に舌を巻く。ゴミ屋敷の住人と、そこを片付ける清掃業者の6編のエピソードで物語は綴られていく。ミニマリスト、断捨離といった、モノをなるべく減らしていくことが良しとされている現代で、改めてモノを手放すことの意味を考えたくなる。『夜を越える旅』でヒロインを務めた中村祐美子が、本作で映画初プロデュースに挑戦。主演の篠田諒は、『サマーフィルムにのって』(20)で演じたヤンキー役とは一転、ピアニストを挫折して清掃業者に転身する世間知らずな青年役を好演している。北山雅康や泉谷しげるといったベテランキャストの競演にも注目したい。本映画祭での上映がワールド・プレミアとなる。
監督:萱野孝幸
九州大学芸術工学部画像設計学科卒業。『夜を越える旅』(2022年劇場公開予定)が2021年の本映画祭国内コンペティション長編部門で優秀作品賞と観客賞を受賞、東京国際映画祭にて上映される。堤幸彦監督、本広克行監督、佐藤祐市監督を中心とした映像製作プロジェクト「SUPER SAPIENSS」にて脚本を担当。
メッセージ
本作はゴミ屋敷に関わる多種多様な人間模様を描いた断捨離人情喜劇です。余談ですが、美術用の「ごみ」を集めるにあたり、普段捨てている生活ごみを洗い保管するという滅多にない経験をしました。1カ月も経つと自室はモノで溢れかえり、我々は多くのモノを消費し、捨てているのだなと実感しました。現代日本ならではの「ごみ映画」、部屋が散らかっている方も綺麗な方も、気軽に楽しんでいただけると幸いです。