国内コンペティション 短編部門
清風徐来
Cool Breeze
- 上映日時
- 7/18(月・祝)13:50 多目的ホール
- 7/22(金)11:00 映像ホール
- 配信日時
- 7/21(木)10:00 ~ 7/27(水)23:00
不機嫌な娘が唯一心を開いたのは、父親の元同僚。
二人の思いは水面に揺れて、泡となる…。
両親の都合で引っ越すことになったズイ。次々と新居を訪れる客たちの相手もせず、不機嫌な様子を隠そうともしない。外に出たズイを追いかけてきたのは、父親の元同僚で、がんを患ったフィンだった。
監督:盧明慧
出演:彭澤宇、李競庭、李夢醒、李中、陳喜富
2022年 / 日本 / 26分
中国・杭州の美しい景色をバックに、思春期の最中で鬱屈としている少女と、末期がんを患う中年女性の友情を描いたのは、中国と日本で映像を学んだ盧明慧。中国の大学を卒業後、日本で大学院に進んだ蘆だが、コロナ禍によりしばらくは中国からリモートで研究を進めた。その後戻った日本で卒業制作の準備を進めるうちに、蘆自身が経験した年の離れた友人との別れに着想を得て、中国で撮影し本作を完成させた。本作では、シーンの背景と主人公の心の変化が緻密に設定されている点も見どころのひとつ。例えば主人公ズイが不機嫌な状態は、鮮やかな衣装や豪華な新居など人工物に囲まれているシーンから引き出され、一方でズイが自分を気にかけてくるフィンと交流する場面は、中国の雄大な自然の中で描かれている。本映画祭での上映がワールド・プレミアとなる。
監督:盧明慧
中国出身。浙江工商大学で映像を学び、卒業制作で『孔雀草日記』を監督。その後、武蔵野美術大学映像・写真コースの大学院に入学。在学中、『その跡』、『毛糸玉』、『清風徐来』を制作する。
メッセージ
コロナ禍で、修士の2年間ほとんど中国にいた。今回の映画は、卒業制作なので、もっと実感がある物語を作りたいと思いつつ、自分のリアルな経歴によって、脚本を書きました。この物語で、最も表現したいのは、娘は家族を恨んでいないし、両親も悪者ではないということ。彼らは異なる時代の人を代表しているだけです。