長編コンペティション部門
中国のゴッホ/China's Van Goghs◊アジアン・プレミア◊
7.18(火)11:00
7.22(土)17:00
<2016年/中国、オランダ/81分>
ゴッホの複製画を描くことに人生を捧げる
中国人の男を追ったドキュメンタリー。
複製画制作で世界の半分以上のシェアを誇る油絵の街・ダーフェン。ジャオ・シャオヨンは独学で絵を学び、20年もの間ゴッホのレプリカを描いてきた。しかし、本物のゴッホの絵を観たいという夢は諦めていなかった。
©YU Haibo
監督:ハイボー・ユウ、キキ・ティエンチー・ユウ
<解説>
海外ドキュメンタリー作品が本映画祭の長編部門にノミネートされるのは、2009年の『エル・システマ~音楽の喜び~』以来8年ぶり。中国・深圳市近郊にある「大芬(ダーフェン)油画村」では、ゴッホをはじめとする有名画家のレプリカ制作が産業として確立しており、実に世界市場の6割を生産しているといわれている。本作は、そんな大芬で生きるひとりの画家が、未だ経験がない“本物のゴッホの絵を見る”という夢を叶えるためアムステルダムを訪れるまでを描いた感動のドキュメンタリー。2016年のアムステルダム国際ドキュメンタリー映画祭でワールド・プレミアされた後、数多くの映画祭で上映されている。監督のハイボー・ユウとキキ・ティアンチー・ユウは父娘であり、父は著名な写真家、娘は自身の制作会社で監督・プロデューサーを務めるだけでなく、上海の学校で教鞭も執っている。
監督:ハイボー・ユウ
中国の武漢大学にて写真を学ぶ。中国におけるシュールリアリズム写真の先駆者と評価されている。1989年からドキュメンタリー写真も手掛け、世界中で数々のシリーズ写真の展示会が世界中で開催されており、多数の賞を受賞し写真集も出版されている。また映像作品では、写真エッセイとも言える短編『One Man’s Shenzhen』(12)を監督。本作が長編デビュー作となる。
監督:キキ・ティエンチー・ユウ
中国の Century Image Media にてプロデューサーを務める傍ら、 上海交通大学の USC-SJTU Institute of Cultural and Creativity Industryの映画科で助教授として教鞭を執る。ドキュメンタリー短編作品『Photographing Shenzhen』(07)、『Memory of Home』(09)、『Tube』(08)を手掛ける。 ウエストミンスター大学で映画制作を、ケンブリッジ大学で社会学を学んだ後、ウエストミンスター大学でドキュメンタリー映画制作を学び、博士号を修得。ハイボー・ユウの娘である。