長編コンペティション部門
市民/The Citizen◊アジアン・プレミア◊
7.18(火)14:30
7.22(土)10:30
<2016年/ハンガリー/109分>
そこは生きる場所か心の在り処か?
「市民」の意義を問う重厚なドラマ。
政治難民としてアフリカからハンガリーに移住してきたウィルソンは、市民権を得るためのハンガリー憲法の試験に何度も失敗していた。しかし、試験対策の教師マリと出会ったことで、彼の人生は変わってゆく。
監督:ローランド・ヴラニク
出演:マルセロ・カケ=ベリ、アーグネシュ・マール、アルガワン・シェラキ
<解説>
2015年のカンヌ映画祭グランプリ、2016年の米アカデミー賞外国語映画賞を受賞した『サウルの息子』(15)、今年のベルリン国際映画祭金熊賞『On Body and Soul』(17)と、近年ハンガリー映画が世界の映画市場を席巻している。そんなハンガリーから届いた本作は、市民権を得るために必要な“国家にまつわる試験”というユニークな題材をもとに、現代社会が抱える移民問題の矛盾を浮き彫りにしていくパワフルな作品。本映画祭では2015年の『女狐リザ』(15:劇場公開タイトル『リザとキツネと恋する死者たち』)や『スウィング!』(14)以来のハンガリー映画ノミネートとなった。監督は、ハンガリーの巨匠タル・ベーラ監督のアシスタントを務めていたローランド・ヴラニク。長編デビュー作『Black Brush』(05)はハンガリー映画週間作品賞を受賞し、テッサロニキ国際映画祭をはじめ数々の映画祭でも受賞を果たすなど、早くからその才能が高く評価されている。
監督:ローランド・ヴラニク
ハンガリー生まれ。ハンガリーとオランダの数々の映画に制作担当や助監督として参加。2000年に実験短編作品『Dominator 2000』を監督。同年、タル・ベーラ監督の『ヴェルクマイスター・ハーモニー』(00)で助監督を務める。30ほどのコマーシャルやビデオ映像を手掛けており、『Black Brush』(05)で長編監督デビュー。本作は長編3作目となる。