長編コンペティション部門
リトル・ハーバー/Little Harbour◊ジャパン・プレミア◊
7.16(日)10:30
7.19(水)17:30
<2017年/スロヴァキア、チェコ/85分>
愛に飢えた少女と、愛に縛られた少年。
悲しみの連鎖の中に映る、微かな希望。
祖母を失い、奔放な母に置き去りにされてしまった10歳のヤルカは、駅で見知らぬ女から双子の赤ん坊を押し付けられる。ヤルカは過保護な親に束縛されている友達の少年と二人きりで双子を育てようとする。
©Iveta Grófová
監督:イヴェタ・グローフォヴァー
出演:ヴァネッサ・サムヘロヴァー、マトゥーシュ・バチシン、カタリーナ・カメンツォヴァー、ヨハンナ・テサジョヴァー、ゾルターン・シュナイデル、アーギ・グビク、マルティナ・シュリューコヴァー
<解説>
本映画祭では初のノミネートとなるスロヴァキア製作(チェコとの合作)の本作。イヴェタ・グローフォヴァー監督は長編デビューとなったドキュドラマ作品『Made in Ash』(12)が、カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭、ロンドン映画祭などで上映され高い評価を受け、さらに2013年の米アカデミー賞外国語映画賞のスロヴァキア代表に選ばれるなど、早くからその実力を認められていた。本作は、2017年のベルリン国際映画祭ジェネレーションKプラス部門でワールド・プレミアされ、最高賞にあたるクリスタル・ベア賞を受賞した。子どもが子どもを育てる状況に陥ってしまうという、逃れられない貧困の連鎖、人生の過酷さといったシリアスなテーマは『Made in Ash』から続くものであるが、本作では、女性監督らしい美しい映像と厳しくも優しい眼差しが救いを与えてくれる。
監督:イヴェタ・グローフォヴァー
1980年スロヴァキア生まれ。ブラチスラヴァの Academy of Performing Artsでアニメーションとドキュメンタリーを学んだ。長編デビュー作となった『Made in Ash』(12)は、カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭でプレミア上映され、その後も国際映画祭で数々の賞を受賞。アカデミー外国語映画賞のスロヴァキア代表作にも選ばれた。ほかにTV局でドキュメンタリーを制作しており、監督作に『Blues for Single Mothers』(14)などがある。