短編コンペティション部門
短編 ① (合計81分)
夏の巫女/ラストラブレター/After Hours/born、bone、墓音。
7.16(日)11:00
7.17(月・祝)11:00
7.17(月・祝)13:30
7.18(火)14:00
夏の巫女/A Girl Untouchable
<2016年/日本/16分>
小川紗良主演で描く、
男子高校生と美しい巫女のほろ苦い恋。
大学受験を控えた高校最後の夏休み。 シュンは友達のタツヤと集中できる勉強場所を求めて、山奥の宿坊にやって来る。だが、シュンはそこで働く巫女のナギに心を奪われ、勉強が手につかなくなってしまう。
©EIGAHANG
監督:小向英孝
出演:小川紗良、吉田知央、白磯大知
<解説>
映画や演劇などを専攻していた早稲田大学の卒業生らにより結成された団体「EIGAHANG」所属の小向英孝監督。撮影監督で参加した昨年の本映画祭短編部門観客投票第一位の『想影』(16)に続いて、監督として参加した本作で、二年連続の「EIGAHANG」作品ノミネートとなった。ほろ苦い青春ドラマを象徴するような、清廉な透明感が印象的な主演の小川紗良は、2016年公開の『イノセント15』(16)で注目を集めた新星。映画監督としても、『あさつゆ』(15)や『BEATOPIA』(16)を発表し、両作ともゆうばり国際ファンタスティック映画祭で上映されている。また本作は、那須ショートフィルムフェスティバル2016にて審査員特別賞を受賞、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2017では、インターナショナル・ショートフィルム・コンペティション部門にノミネートされている。
監督:小向英孝
1988年岩手県出身。早稲田大学卒業。高杉真宙が主演を務め、2017年に公開された加藤慶吾監督『想影』では撮影監督を務めたほか、「欅坂46」の個人PVの監督などを担当。本作はゆうばり国際ファンタスティック映画祭に正式出品された。
ラストラブレター/Last Love Letter
<2016年/日本/30分>
さようならって、ちゃんと言いたい。
死んでしまった夫と過ごす最後の日々。
近未来。アキコは突然の事故で夫を失ってしまう。二年後、いまだ喪失感を抱えて暮らすアキコは、夫をヒューマノイドとして蘇らせる。ただし彼が起動しているのは二週間のみ。彼との最後の生活が始まる。
©studio so-lars.
監督:森田博之
出演:ミネオショウ、影山祐子、多田亜由美
<解説>
ヒューマノイドとして帰って来た死別した夫とのニ週間を切なく描いた本作。何気ない日常をスタンダードサイズの画面で丁寧に描くことで、妻の悲しみを静かに映し出している。第7回オイド短編映画祭では観客賞を受賞、第11回札幌国際短編映画祭ではジャパン・オフシアター部門に選出された。森田博之監督は日本映画学校在学中から自主制作映画を監督し、『カラガラ』(12)で第6回田辺・弁慶映画祭に入選。『永井家の彗星/COMETS』(13)では第17回水戸短編映像祭ノミネート、第9回札幌国際短編映画祭ジャパン・オフシアター部門に選出されている。主演は、『私以外の人』(15)、『ゆきおんなの夏』(16)のミネオショウと、染谷将太監督作品『シミラー バット ディファレント』(13)や『夏前。おわり』(14)の影山祐子。
監督:森田博之
1984年埼玉県出身。埼玉県立芸術総合高校在学中に映画制作を始める。日本映画学校卒業後、演出部、制作部として劇場用映画に参加。これまで監督した自主制作映画は水戸短編映像祭、田辺・弁慶映画祭、札幌国際短編映画祭などで上映される。
After Hours/After Hours
<2016年/日本/15分>
レコード屋、クラブ。そこにいた彼らと、街の記憶。
それぞれのAfter Hours。
若者で賑わう深夜のクラブ。イベント帰りの中年DJ・吉田と、初めてクラブにやって来た少女・美佳。始発までの一時、二人が街を歩くうちに、かつてレコード屋で溢れていた渋谷・宇田川町の喧騒が蘇ってくる。
© Tatsuo Kobayashi / Happy Tent
監督:小林達夫
出演:川瀬陽太、野崎智子、永井響、三好大貴、りりか、吉田カルロス、田中佐季
<解説>
東京のある街/エリアをテーマとして、人々や街、そこにある文化について掘り下げていきながら短編映像を制作するプロジェクト「TKY 2015」の一作として製作された本作。『シン・ゴジラ』(16)、『ローリング』(15)、『バンコクナイツ』(16)と、大作からインディペンデントまで幅広く活躍する川瀬陽太が主演を務め、移り変わってゆく渋谷の空気を繊細に切り取っている。また撮影・編集をデジタルで行なった後、一旦35mmフィルムに変換し、アナログ感を加えていることも作品のテーマをより強調している。小林達夫監督は、出身地の京都を舞台に、脚本家の渡辺あやとタッグを組んだ『カントリーガール 』(10)、ndjc2012参加作品『カサブランカの探偵』(13)で注目され、杉浦日向子原作、柳楽優弥主演の『合葬』(15)で商業デビュー。同作は内容も高く評価され、モントリオール世界映画祭ワールド・コンペティション部門に出品された。
監督:小林達夫
1985年京都府生まれ。2007年『少年と町』(05)が第10回京都国際学生映画祭でグランプリを受賞。そして2015年、自身初の劇場用公開作品となる長編『合葬』(15)が公開され、第39回モントリオール世界映画祭ワールド・コンペティション部門に正式出品される。
born、bone、墓音。/born bone boon
<2016年/日本/20分>
骨を洗う儀式を通して、
家族の絆を軽妙に描くハートフルコメディ。
新婚の等は、妻・優子を紹介するため故郷の粟国島に帰ってきた。しかし、帰郷した本当の理由を告げた途端、優子は大激怒。その理由とは、島で受け継がれてきた風習「洗骨」だったのだ。
©沖縄県
監督:ゴリ
出演:ゴリ、佐藤仁美、山城智二、古謝美佐子、具志堅あずさ、伊波雅美、福田加奈子、けんたくん
<解説>
沖縄の粟国島に今なお残る「洗骨」というシリアスなテーマを、ハートフルコメディとして描いた本作は、地域発信型映画 supported by ひかりTVとして製作され、2016年の島ぜんぶでおーきな祭第8回沖縄国際映画祭で初上映された。監督・主演を務めたゴリは、芸人としての印象が強いが、TVドラマ「ちゅらさん」シリーズ(01〜07:NHK)や、『うた魂(たま)♪』(08)、『GOEMON』(08)、『青木ヶ原』(12)、『沖縄を変えた男』(16)などで個性派俳優として活躍。また映画監督としても、劇場公開された『南の島のフリムン』(09)をはじめとする数多くの作品を手掛けている。妻の優子役を『惑う After the Rain』(16)や、現在放送中のNHK連続テレビ小説「ひよっこ」など、数多くの映画、TVドラマに出演している佐藤仁美が演じ、作品全体を引き締めている。
監督:ゴリ
1972年沖縄県生まれ。93年、日本大学芸術学部映画学科演技コースで映画を学ぶ。芸人、俳優、監督と多岐にわたり活躍中。06年に主演・脚本・初監督を務めた『刑事ボギー』がショートショートフィルムフェスティバル&アジアで話題賞を獲得。以来、これまでに長編『南の島のフリムン』(09)をはじめ、本作を含む10作品を監督。意欲的に映画を作り続けている。