国内コンペティション 長編部門
ブルーを笑えるその日まで
Till the Day I Can Laugh about My Blues
- 上映日時
- 7/17(月・祝)17:30 映像ホール
- 7/21(金)14:20 多目的ホール
- 配信日時
- 7/22(土)10:00 ~ 7/26(水)23:00
残酷な世界で生き延びるために必要なもの。
それが何かを描く、ひと夏のファンタジー。
学校に馴染めない中学生アンの唯一の居場所は薄暗い立入禁止の階段。ある日不思議な商店で貰った魔法の万華鏡を覗いてみると、立入禁止のはずの扉が開き、その先の屋上で同じ万華鏡を持った生徒アイナと出会う。
©ブルーを笑えるその日まで
監督:武田かりん
出演:渡邉心結、角心菜、夏目志乃、片岡富枝、丸本凛、成宮しずく、佐藤ひなた
2023年 / 日本 / 100分
主人公以外誰も世話をしない水槽の金魚が死に、その時初めて、生徒たちはかわいそう、と手を合わせる。この世界では、死なないと優しくしてもらえない。友人たちから無視され、ずっとぎりぎりの状態で教室に通い続けるアンは、同じ気持ちを抱えるアイナに出会い、笑顔を取り戻す。二人の仲は急速に縮まるが、その屋上には飛び降り自殺した幽霊が出るという噂があった…。夏休み明け、未成年者の自殺が増える。狭い水槽=教室の中で、いじめ、いじめられる彼らにとってそこだけが世界だから、逃げることすら思いつかない。逃げてもいい。あなたを知ってくれる人が、きっと外の世界には、いる。自身の経験から本作を作ったという武田かりん監督の切実さは、俳優たちの瑞々しさとともに本作に充満し、観る者の心を打つ。劇中歌として流れる忌野清志郎の歌が、登場人物たちの痛みに、優しく寄り添う。本映画祭での上映がワールド・プレミアとなる。
監督:武田かりん
25歳。2020年東京工芸大学映像学科映画研究室卒業。学生時代よりプロアマ問わず多くの映像制作に携わる。2020年映画研究室卒業制作として制作した初監督作『そして私はパンダやシマウマに色を塗るのだ。』が複数の映画祭でノミネート・受賞。2022年、10代の頃の不登校や自殺未遂の経験を元にした本作を制作する。
メッセージ
タイトルの「ブルー」には様々な意味を込めています。憂鬱。青空。青春。若い日の、あの頃の記憶。言葉では伝わらないこと、伝わらなかったこと、私はこの映画に詰め込みました。それは、あの頃の自分が言ってほしかったこと、あの頃の自分が見たかったもの。そうしたら、今もどこかで泣いているかもしれない昔の私のような誰かがブルーを笑えるその日まで、一緒に歩いていけるんじゃないか、そう信じて。