長編コンペティション部門
アンダー・ヘヴン/Under Heaven◊ジャパン・プレミア◊
7.17(日)18:00
7.20(水)10:30
<2015年/キルギス/88分>
中央アジアの荒涼とした大地を舞台に描く、
キルギス版「カインとアベル」。
反抗的なケリムと良心的なアマンの二人の兄弟は、石工の仕事をしながら母と暮らしている。父親はケリムの借金のため、出稼ぎに出ていた。二人が一人の少女サルタナに恋をしたことから、悲劇が起こる。
©Film Studio Kyrgyzfilm
監督:ダルミラ・チレプベルゲノワ
出演:アンワル・オスモナリエフ、ヌルジギト・カナエフ、タアライカン・アバゾワ、ムナラ・ドオロンベコワ、ジャマル・セィダクマトワ、アサン・アマノフ
<解説>
『エデンの東』(55)のモチーフにもなったと言われている、旧約聖書「創世記」に登場する人類最初の殺人の加害者と被害者とされるカインとアベルのストーリーを、キルギスの広大な地で墓石の採石をする兄弟の物語に置き換えた、女性監督ダルミラ・チレプベルゲノワの野心作。キルギス映画のノミネートは、本映画祭では初めてとなる。本作は2015年のモントリオール世界映画祭ファーストフィルム・コンペティション部門で、スペシャル・メンションを受賞している。2014年の『Korgum Kelet』(未)でキルギス本国の権威あるアク・イルビリス賞の最優秀撮影賞を受賞したアクジョル・ベクボロトフによる壮麗なキルギスの大地の映像も、作品の大きな見どころである。
監督:ダルミラ・チレプベルゲノワ
1967年キルギス生まれ。映画監督のほかに詩人、ジャーナリストとしても活動。本作は、カナダ、ロシア、バングラデシュ、カザフスタンなどの映画祭で上映され、インドの映画祭では最優秀アジア作品賞と主演男優賞を受賞し、2015年のモントリオール世界映画祭では、審査員の共感を得て最高のデビュー作品と評価された。現在、中央アジアPEN(作家協会)の会長を務め、2005年よりヨーロッパ及び中央アジアの女性作家のための国際フォーラム「女性とセンサーシップ」を開催し、積極的に声なき声を伝えるための作家活動や映画制作を行っている。