短編コンペティション部門
短編 ① (合計71分)
キッチンの神様/The Kitchen God
<2015年/日本/28分>
キッチンは人に幸せを運ぶ場所。
金子さやか主演で描く、家族の愛のかたち。
システムキッチンのショールームで働くさおりは、バツイチのシングルマザー。仕事と子育てで多忙な毎日を送っている。そんなある日、老夫婦からキッチンリフォームの依頼を受ける。
©HASHIMOTO SOGYO Ltd.
監督:中根 克
出演:金子さやか、鈴木花音、上垣保朗、紫城いずみ、武見龍磨、松野美佳、小宮咲
<解説>
脱サラをして映画製作を始めた中根克監督による本作は、第1回神保町映画祭など多くの映画祭で上映され、第9回栃木・蔵の街かど映画祭では技能賞を受賞した。『深呼吸の必要』(04)、『神様のカルテ』(11)などに出演してきた金子さやかが、久々の映画出演となる本作で主演を務めている。また、『ピンクのカーテン』(82)、『待ち濡れた女』(87)など数々のピンク映画を監督した上垣保朗が、キッチンのリフォームを依頼する老人・田口を演じ、初の映画出演となった。
監督:中根 克
電機メーカーのサラリーマンを34歳で辞め、手塚眞監督作品『白痴』(99)で助監督見習いとして映画界に飛び込む。劇場映画の助監督や制作進行などを数本経験後、映像制作会社を創業。企業VPやプロモーションビデオなど、さまざまな分野の映像を制作し、現在に至る。その傍ら数多くの自主映画を監督している。
VANISH/Vanish
<2015年/日本/18分>
人は皆、生きるために仕方なくやっていることがある。
松林慎司、津田寛治ダブル主演のサスペンス。
死体の処理を生業とする男。秘密を抱え人目を避けて暮らす男。それぞれやりきれない日々に嫌気がさしている。そんな二人が出会い、奇妙な利害関係が生まれたとき、かすかな希望が見えてくる。
©yusuke-hatai
監督:畑井 雄介
出演:松林慎司、山口康智、志村美空、シャア・ハック、蟹江アサド、津田寛治
<解説>
人に言えない秘密を抱えた男たちが築いた奇妙な関係を通して、「喪失」を描いた本作。しがショートムービーフェス2015では最優秀作品賞を受賞。秘密を抱えた男を演じたのは『残穢【ざんえ】-住んではいけない部屋-』(15)、『予告犯』(15)で好演の松林慎司。微妙な感情の揺れ動きを見事な表情で演じている。死体処理を仕事にする男を演じたのは、『模倣犯』(02)、『恋の罪』(11)、『虎影』(15)など多くの作品に出演している名バイプレイヤー、津田寛治。津田寛治は俳優以外にも監督業もこなし、本映画祭でも、監督作『カタラズのまちで』(12)が2013年短編部門にノミネートされた。
監督:畑井 雄介
映画やドラマなどの映像作品で、フリーランスの助監督として活動している。近年では、短編映画やWEB CMなどの演出も手掛けている。
夕暮れの催眠教室/Hypnotism for Love
<2016年/日本/25分>
あまく切ない高校生の恋愛模様は、
放課後の理科室で操られる。
女子高生の今日子と香奈は、好きな男子に催眠をかけ、恋がうまくいくように画策する。今日子は加奈に頼まれて幼馴染の玲司に近づき、とある催眠を彼にかけるのだが、二人の思惑が交錯していき…。
©inoue hiroki
監督:井上 博貴
出演:青木珠菜、長谷川ニイナ、萩原利久、芳村宗次郎、草野康太
<解説>
催眠術で好きな相手を振り向かせたい…。そんな安易な考えで恋を成就させようとする二人の女子高生が、それぞれの本心とせめぎ合う、ほろ苦い青春を描いた本作。監督は『網走番外地』シリーズ(65~67)の故・石井輝男監督に師事し、井口奈己監督の『犬猫』(04)などに製作担当として参加した井上博貴。放送中のTV番組「ワイドナショー」(CX)で現役女子高生として出演している青木珠菜と長谷川ニイナが、瑞々しい演技を披露している。
監督:井上 博貴
2009年に劇場公開作品『パニック4ROOMS』を監督。2010年、長編映画『どんぐり兄弟の梅干』(10)や短編作品が国内外の映画祭で入選、招待されている。