短編コンペティション部門
短編 ② (合計72分)
パン屋の息子/Son of The Bakery
<2015年/日本/22分>
僕のお父さんはパン職人です。
パンをたくさん焼いて、皆を笑顔にしてくれます。
郊外にある一軒のパン屋。50年以上にわたって営業してきたこの店も今日で閉店する。いつもと変わらず、父は黙々とパンを焼き、母は明るく接客をする。 そこへ、離れて暮らす息子が突然帰ってくる。
監督:日原 進太郎
出演:志賀廣太郎、金子岳憲、鷲尾真知子、高尾祥子、飯島順子、帯金ゆかり、奥本結衣
<解説>
『パリレリーナの穴』(05)が、数々の国内映画祭で入選・受賞し、『幸せなら手をつなごう』(06)がうえだ城下町映画祭第六回自主制作映画コンテストで大賞を受賞した日原進太郎監督。本作は、監督自身の実家であるパン屋の閉店が契機となって制作された。口数少ない職人肌の父親役には、『幕が上がる』(15)『あやしい彼女』(16)をはじめ、映画・TV・舞台と幅広く活躍する志賀廣太郎。母親役を『大奥』(06)、『ホットロード』(14)など、同じく多岐にわたるフィールドで多彩な演技を見せる鷲尾真知子といった実力派が演じ、作品に深みを与えている。
監督:日原 進太郎
1980年大阪府生まれ。早稲田大学卒業後、東京ビジュアルアーツに入学し、映画を学び始める。『春夏秋冬くるぐる』(10)が第33回ぴあフィルムフェスティバルPFFアワード2011にて準グランプリを受賞。本作は、第19回水戸短編映像祭に入選のほか、世田谷パン祭りにて上映された。
幽霊ダンサー/Ghost Dancer
<2015年/日本/25分>
ある幽霊からの一生のお願い!?
この世に奇跡を起こしてくれよ!
交通誘導員の冴えないおっさんは、目の前の事故で命を落とした男の幽霊に取り憑かれてしまう。おっさんは幽霊から代わりにダンス大会に出場してほしいと依頼されるが、彼にはダンスの経験などなかった。
©dragonandsnakefilm
監督:陣内 天飛
出演:宮沢りえ蔵、佐藤一翔、竹村美穂、花咲たい子
<解説>
「幽霊」「おっさん」「ダンス」…、一見奇抜な設定をエネルギッシュなコメディに仕立て上げた本作。愛や友情といった感情の揺れ動きを全身で伝える登場人物たちの身体表現が、観るものに得もいわれぬ不思議な爽快感を感じさせてくれる。監督は、学生時代に前衛的な8ミリ映画を制作し、20年のブランクを経て40歳で社会人映画サークルを結成、「日曜映画監督」として活動を続ける陣内天飛。主演の宮沢りえ蔵が一生懸命に振り付けを覚えたダンスシーンにも注目。
監督:陣内 天飛
北海道出身。40歳で異業種による映画制作集団を立ち上げる。2006年『私の半径200めーとる』が東京ネットムービーで樋口真嗣賞を受賞。第二作『ポール&マヨネーズ』(10)がゆうばり国際ファンタスティック映画祭2011コンペティションに選出。3作目となる『フランケンの娘』(13)が札幌国際短編映画祭で歴代人気投票で3位に選ばれる。
FIVE PERCENT MAN/FIVE PERCENT MAN
<2016年/日本/25分>
高岡奏輔主演。インディペンデント映画業界の
理想と現実、その先には?
本気で映画を作るために会社を辞めた岸田は、密着番組の取材を受けている。そこへ同じように映画を志す女性から、人生をかけた作品のためにタダ同然で協力してほしいと電話がかかってくる。
©2016 Koto Production Inc.
監督:田中 雄之
出演:高岡奏輔、肘井美佳、岩瀬亮、前野朋哉、桂三四郎、笠原千尋、宇賀那健一、パラソル亭田中
<解説>
プロデューサーやディレクターを兼務し、予算配分からスタッフィングを含めたトータルディレクションを信条とする田中雄之監督が描き出した撮影現場の舞台裏。6Kカメラで撮影された、まるでドキュメンタリーかのような映像とストーリーが、映像業界に響き渡る声なき叫びを痛快に映し出す。本作はショートショートフィルムフェスティバル&アジア2016でも上映された。『さんかく』(10)、『千年の愉楽』(13)などの高岡奏輔が、映画監督を目指す若者の希望と現実を体現している。
監督:田中 雄之
1982年生まれ。慶應義塾大学卒業後、5年間の会社員生活を過ごす。退職後、東京藝術大学大学院映像研究科を経て、コトプロダクションを設立。プロデューサーとディレクターを兼務する独自のスタイルで、TVCM、PV、ドラマ、ドキュメンタリーなどの制作を行う。